定期テストと夏休み
第68話 勉強タイムスタート!
「よっしゃ〜! 今日から学校早く帰れるぜ!」
なんて考えてるやつ、まだまだ甘いな。
学園祭も終わり、イベントもひと段落したと思ったら、いよいよテストの時期に迫っていた。
この学校ではテストで赤点を取った者は夏休みに補習という名の地獄が待っているのだ。
「よし! 今日からは勉強頑張るぞ!」
俺はこの高校に入るとき、偶然にも点数がトップ50に入ってしまった。おかげで大して賢くないのに先生たちからなぜか期待の目を向けられる。
むろん、クラスの男子からは別の意味で視線を向けられるが。
「か〜いと! ちょっと勉強教えてくんない?」
ほら。こうして俺の勉強時間がなくなっていく。ついでに男子友達も減ってく。
「き、今日はちょっとなぁ・・・」
「なんか予定あんの?」
「まぁ予定ってほどじゃないんだが・・ 今日は家で勉強しようかなぁと・・・ そもそも先生に聞けばいいじゃないのか?」
「いいじゃん! なんか先生に聞くのも嫌だし、昔みたいに2人で勉強しよ❣️」
やっぱりこの笑顔には昔から弱い。しかも今日は結衣や梨沙は予定があるからいない。
「・・・はぁ〜 ちょっとだけだぞ?」
「やった〜! じゃあ早速快斗ん家へ!」
美香と一緒に勉強してはかどるとはあまり思わないが、ちょっとくらいいいだろう。あくまで休憩の一環にしておこう。
「よし! じゃあ帰るぞ?」
「やった〜! 早く早く!」
俺は美香を連れて家に帰った。
「ただいま〜」
「おじゃましまーす!」
「おかえりなさい〜 お兄ちゃん」
「あ! お兄さん、お邪魔してま〜す!」
家ではあかりと麗奈ちゃんが勉強していた。
そういや中学校もそろそろ定期テストの時期だったな。
「じゃあ俺たちは2階で勉強してくるぞ?」
あかりの真面目な姿も久しぶりに見た。うんうん。頑張ってるみたいだな。
「え? ここで一緒にすればいいじゃん!」
「そうですよお兄さん! 一緒に勉強しましょ❣️」
麗奈ちゃんは相変わらず俺を誘惑してくる。俺に何の恨みがあるんだよ?
「快斗。こう言ってることだし、ここで勉強すれば?」
「ま、まあいいか」
はい。これで俺の勉強タイムはほとんど潰れただろう。あかりと麗奈ちゃん、そして美香。4人で勉強して何も起こらないわけがない。
こうしてお勉強の時間が始まった。
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