第38話 夕食で1番美味しいものとは?

「ただいま〜」


はぁー 結衣とのデートは中々楽しかったなぁ。キスの部分はちょっとあれだったが・・


「快斗〜!」


「快ちゃん!」


『おかえりなさい❤️!』


めっちゃ待ってた感じだな。俺がいなくてもすることはいっぱいあるだろ? でも待っていてくれる人がいるのは嬉しいものだ。


「快斗! 寂しかったんだから!」


「あ、ああ。ちょっと離れてただけだろ?」


「それでも寂しかったのよ〜」


美香が抱きついてくる。まぁここは素直に受け入れてあげよう。


「私も寂しかった〜!」


「あ、ああ。わ、悪かったな」


次は梨沙が抱きついてくる。まぁこれも仕方ないだろう。


「私も抱きつきたいです!」


今度は結衣が抱きついてくる。ここは・・・って


「な、なんで結衣まで⁉︎」


「いいじゃないですか」


「もうそろそろ恥ずかしいんだよ!」


「そうですか。ではまたの機会に・・」


次の機会なんかそうそう無いと思うんだけど。


「と、とりあえずご飯の時間だろ? 中に入ろう」


『はーい』


これは遠足か? 俺がハーレム築いてるみたいに見えるだろ? ほら、周りの男子が睨んでるんだけど・・


夕食の場所に行ってみると、いろんな料理が並んでいた。


「ほら、快斗、あーんってして❤️」


「な、な、なにを・・」


「うふふ。冗談よ」


やべえ、一瞬本気かと思ってドキドキしたぞ? しかも美香が出してきたものは美香の食べさし。間接キスになるだろ〜! まぁふつうにキスもしてるんだけど・・


「じゃあ私にして!」


「は? 今のをか?」


「そうよ」


「え〜・・」


さすがに恥ずかしい。どうしようかな? でも美香がめっちゃしてほしそうな顔してるし・・


「しょうがない。ほら、あーん」


「ふふ。ありがと❤️ すっごく美味しい」


「そ、そうか?」


「快斗の愛の味だね❤️」


「え?」


「ううん。なんでもないよ」


やっぱ恥ずかしいな。美香はこんなことをして恥ずかしくないのかな? 


「快斗、この飲み物もらうね?」


「え? あ! ちょ、ちょっと待て!」


遅かったか。それは俺がさっきまで口をつけていたものだぞ?


「え? なに?」


「それは俺が飲んだ後だぞ?」


「別にいいじゃん」


「は?」


意味がわからない。俺と間接キスをして別にいいじゃんで終わるとは。


「もう〜 じゃあこれでおあいこよ❤️」


美香が口にキスしてきた。甘い感触が・・


「って、おあいこになってねえだろ〜⁉︎」


「固いこと言わないの。私、食べ物取ってくるね」


今日1番美味しいものを食べたかもしれない。俺は一瞬だけそう思ってしまった。あれ? なんだか後ろから鋭い視線が・・


「快ちゃん? 見ちゃったよ?」


「うっ・・」


梨沙だ。これは・・ また修羅場か?




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