第32話 この展開って・・

今は都会の街をぶらぶらしている。美香と一緒に。


「なんでこうデートばっかなんだ」


そう、俺は連日デートをしている。


「いいじゃない。楽しも❤️‼︎」


なんで俺がこんな目に? そもそも美香は怒ってたんじゃないのか?


「み、美香? 怒ってないのか?」


「べ、別に怒ってなんかないわよ。嫉妬してたわけじゃないからね。勘違いしないでよ!」


「は、はぁ・・」


完全なツンデレだ。さっきめっちゃ怒ってたじゃないか。これだから女子ってものはわかんねえな。


「それより快斗、デートなのよ。もっと彼氏っぽいことしてよ〜」


「か、彼氏っぽいこと?」


相変わらず無茶言うじゃねえか。てか俺ら一回デートしたよな? そういえばあの時に最後美香が・・ヤバイ。想像してると恥ずくなってくる。


「快斗? 顔赤いよ? もしかして私を見てエッチなこと考えた?」


「バ、バカ言え。考えてねえっつうの」


「快斗ったら照れ屋さんね❤️ ほら、ちょっと位なら私に何したっていいのよ❤️」


「う、うるせ〜! 早く行くぞ!」


こいつも積極的になったなぁ。まあ美香の場合、言葉と身体が合ってない。そう、美香は胸が少し・・それでも俺の妄想は働いてしまう。さすが思春期の男子だ。


「快斗〜 あれ買ってよ〜」


「きゃあ〜 あれ可愛い〜」


「快斗〜 あっちも〜」


「・・・」


気づけば俺の財布の中はすっからかんだ。始めは5千円も入っていたのに。


「快斗、今日はありがとね」


「ああ、別にいいんだよ」


本当は泣きたい気分だけどな。


「私ね、多分七瀬さんに嫉妬してたんだと思う。ごめんね。嘘ついて」


バレバレの嘘だったが。なにせ美香と何年も一緒にいるからな。


「私、快斗のことをいつだって大切に思ってる。だから・・」


この展開はまさか? まさかだよな。


「私と付き合って」


「・・・・」


やっぱりか。梨沙と展開がほとんど同じだったからな。それにしても美香まで告ってくるとは、実は俺ってモテてる?


「快斗? 今ので俺って実はモテてるなんて思うのやめてね?」


「うっ。わかってるよ」


以心伝心というやつか。なんで俺の考えていることはすぐにバレるんだか。正直、美香は幼馴染みだ。今付き合うのはどうなんだろな? 美香が俺のことを好いてくれてるのは嬉しいが。


「私じゃだめかな❤️?」


うっ、可愛い。思考回路が停止してきた。もはやこの際・・


「美香、俺は・・」


「プルル、プルル」


電話の着信音だ。なんでいつもいい雰囲気の時に電話なんだよ〜〜‼︎

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