第31話 またデート⁉︎

「快斗くん? そんなに急いでどうしたのですか?」


「い、いや。何でもないんだ」


なぜ結衣がここに? 俺の運も尽きたか? さっきのことがバレたら絶対結衣も怒るばずだ。なんとか隠し通さないと。


「そ、それより結衣はなぜここに?」


「そんなの快斗くんに会いに来たに決まってるじゃないですか❤️」


「そ、そうなのか?」


個人的には嬉しい。わざわざ俺なんかに会いに来てくれる人がいるのは。でも今はそれどころじゃねぇ‼︎


「わ、悪い。俺今ちょっと急いでんだ。また今度な」


「顔色が悪いですけど大丈夫ですか?」


「あ、ああ。大丈夫だ」


「ちょっと快斗〜‼︎ 待ちなさ〜い‼︎」


「ま、まずい〜‼︎」


美香が追いついてきた。早く逃げないと。


「じゃあな結衣。愛してるぜ❤️」


「ま、まあ快斗くんったら。積極的ですこと」


あれ? 勢いに任せて変なこと言っちまった。ほんと俺は何言ってんだよ。


「はあ、はあ」


俺はやっとのことで家にたどり着いた。


「お~い、あかり。入れてくれ!」


よし、これでもう安心だ。さすがに美香も家の中には入ってこないだろう。


「お兄ちゃん?」


ああ、あかりだ。あかりに会えてこんなに嬉しいのは初めてだな。


「あかり〜‼︎ 久しぶりだな〜」


「お兄ちゃん? 外に美香さんがいるような気がするんだけど・・」


「ん? あ、ああ。でも今日はいいんだ」


今美香のところに行ったら何を言われることか。


「お兄ちゃん💢 出てきなさい」


「へ?」


な、なんて言った? 俺の命がかかってるんだぞ。


「だ・か・ら、出てきなさい💢」


「・・はい」


覚悟を決めよう。俺はドアを開けた。


「み、美香? いるか?」


「ええ、いますとも。なぜ快斗は逃げたんでしょうかね💢?」


あー。めっちゃ怒ってる。これは本格的にやばいぞ。


「そ、その・・ デートしてて・・ 気まずかったというか・・」


はぁ〜 もう終わりだ。煮るなり焼くなり好きにしてくれよ。


「私とデートしなさい‼︎」


「は?」


なんか今こいつ、とんでもないこと言わなかったか?


「だ、だからデートしなさい。2度も言わせないでよ❤️」


「うっ」


照れてる美香がすっげえ可愛い。おもわず惚れそうになったかも。


「いつするんだ?」


「今からに決まってるじゃん、早く行くよ!」


「え⁉︎ は⁉︎」


俺は強引に連れ出された。


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