第23話 俺の周り、修羅場すぎだろ〜
「快斗くん〜 ほんとに会いたかったんだよ〜」
なぜここに梨沙が?てかなぜ、教室に入って速攻俺に向かってくるんだ?ふつうに恥ずいんだが。
「何なんだ?あの転校生」
「可愛いやつ来たと思ったらまた赤坂かよ」
「最近赤坂人気じゃね」
周りからの痛い視線。これだから嫌なんだよ。昔っからあいつのテンションはついていけねぇな。
「ちょっと快斗、あの子なんなのよ」
「そうです。ご説明を」
お前らまでそんな顔しないでくれよ。俺だって今めっちゃ困ってるんだぞ。
「あいつは・・ 幼稚園時代の知り合いだ」
そう。梨沙とはしばらく会っていなかったが、1歳の頃から知り合いであり幼稚園時代の親友なのだ。
「へぇ〜 そんな子がいたの」
「それは知りませんでしたわ」
美香と結衣の冷たい視線がくる。そして、
『で、どういう関係?』
でしょうね。その質問がくると思ってましたよ。第一お前らそんなに俺のことを詮索するんじゃねぇよ。幼稚園の頃なんだから関係もくそもないだろう。
「ただの友達だよ」
『・・・』
いや、ほんとだぞ。そんな疑わしい目で見るなよ。
「違うでしょ、快斗く〜ん。私たちは将来を誓いあった仲でしょ。ね❤️」
『は???』
梨沙が突然とんでもないことを言い出した。そして2人の視線が一斉に俺に注目する。
「ちょっと快斗、どういうことよ!」
「そんなこと聞いていないですわ」
「い、いや。俺も・・」
まったく身に覚えがないぞ。だいたい何だよ。将来を誓いあった仲って。
「あれぇ〜 快斗くん忘れちゃったの? むかし言ったじゃない。俺がお嫁にもらってやるって」
「・・・あっ」
そうだ、思い出した。いや、あの時はお嫁の意味もあまり知らなかったし遊び半分だろう。
「い、いや、でもあれは遊びというか、じゃれ合いというか・・」
「それでもあなたは私の将来の旦那さんなの〜」
梨沙が急に抱きついてきた。そしてほっぺにキス。
「な、な、何をするんだ?」
「うわぁ、久しぶりの快斗くんの匂い。そしてあったかい温もり。今まで寂しかったんだよ」
ああ、理性が爆発する。てか手に柔らかいものあたってるんだけど。それにしても梨沙がこんなに可愛く大きくなっていたとは。驚きだ。
『そこまでよ!!』
突然の大きな声。美香と結衣だ。めっちゃ怒ってるじゃん。これはマズイ。
「快斗は渡さないわよ!」
「そうです。快斗くんは私のものです」
もうやめてくれよ。俺の顔多分真っ赤だぜ。俺を取り合う争いなんてレベル低いだろ。・・ 自分でおもっていて悲しくなってきたな。
「あら、快斗くんは私が1番早く会ってるのよ、何が悪いの? もしかして嫉妬かしら?」
『うっ・・』
確かに1番先に会ったのは梨沙だ。でもそんなに関係ないと思うんだけど。
「そういえばあなたも快斗くんって呼んでるの?」
「え、ええ」
「じゃあねぇ、私は快ちゃんって呼ぶね。いいかな快ちゃん?」
「あ、ああ、別にいいけど」
「やった〜 これからもよろしくね快ちゃん❤️」
また抱きついてくる。はぁ〜 あたたかい温もりだ。すごく懐かしい感じが。って俺何感じてるんだ?だめだ、気持ちを抑えるんだ。梨沙もスキンシップが多すぎるだろ。さっきから距離感めっちゃ近いし。美香も結衣も沈黙している。
なんで俺の周りは修羅場が多いんだよ〜〜〜!!
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