第24話 お前が嫌ってわけじゃないんだよ〜

「じゃあこの子を私たちの班に入れましょう」


ふいに結衣がそんなことを言い出した。


「この子を? どうするつもりなの?」


「それは・・合宿中に誰が一番快斗くんにふさわしいかアプローチするのです」


「なるほど。・・ いいんじゃない」

 

「私もいいと思う~ だって快ちゃんは、私と心の中でちゃーんとつながってるんだからね❤」


こいつは常に自信たっぷりだな。何か秘策でもあるのかな?


「あんた達だけには絶対負けないから。幼馴染の絆をみせてやるわよ」


「あら快斗くんは私の彼氏よ。私が勝つに決まってるじゃない」


「快ちゃんは私のものだから~」


『ぐぬぬ~~』


あのー すごい恥ずかしいんですけど。本人がいる前でその会話はやめましょうよ。ちょっとは俺の気持ちも考えてくれよ。


「ではその班で当日は動いてくれ、では今日は解散!」


男子俺1人じゃねえか。さすがに気まずいなぁ。しかも全員が美少女という。もはや俺を誘惑しているだろう。まったく神様は何を考えているんだか。


家に帰るとあかりが待っていた。あかりも最近は学校に少しずつ行けるようになってきたのだ。


「お兄ちゃん。結局勝負はどうなったの?」


「ああ、あれは引き分けになったよ。でも今度の合宿でまた何かするらしい」


「ふ〜ん」


ふぅ〜 あかりが何も言わなくてよかった。一応あかりともデートしたからな。


「お兄ちゃん。・・・その合宿に私も連れてって‼︎」


「は⁉︎」


おいおい、ちょっと待てよ。それは無理あるだろう。高校の合宿に妹なんか連れて行けるわけないだろ。てか俺が恥ずいわ。シスコンかと思われるだろ。


「い、いや。それはちょっと・・」


「何?私が来るの嫌なの?」


「そういうわけじゃないんだけど・・・」


「お願いだよ〜 お・ね・が・い・❤️」


いや、そんな可愛い顔されても無理なものは無理だって。


「ごめん、あかり。今回は本当に無理なんだ」


「・・わかったわ。そのかわりあまりイチャイチャしないこと。わかった?」


「い、いや、するわけないだろ」


俺今までそんなイチャイチャしてないだろ。ちょっと抱きついたりキスしたりって・・ 俺、結構やってるかも。


「お兄ちゃんは私のものなんだから。ちゃんと楽しんで来てね❤️」


はぁ〜 癒されるなぁ。その笑顔は可愛すぎるわ。今すぐ抱きしめてやりたいなぁ。


「お、お兄ちゃん? 顔がキモいよ?」


「あ、ああ。何でもない。あかりは可愛いなぁ」


「ちょ、ちょっとお兄ちゃん?大丈夫?」


「はっ・・ すまん」


危ない危ない。俺の欲望が爆発するところだった。あかり、そんな可愛い顔しないでくれよ。


「ピーンポーン。 赤坂くんはいますか?」


ん?こんなときに誰だよ。もう夕方の4時だぞ。


「はい、誰ですか?ってこの声は・・」


そう、つい最近聞いたこの声。嫌な予感が・・


「快ちゃ〜ん 今からデート、デートだよ」


やっぱ梨沙じゃねぇか。


「お兄ちゃん?こ、この人は?」


後ろから禍々しい視線が。


「あら〜? 妹ちゃんかしら? ちょっとお兄ちゃん借りてくね〜」


俺は強引に連れ出された。あぁ〜 もう俺家に帰れねえじゃねぇか。

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