第20話 妹と恋人との違い 〜保てよ俺の理性〜

月曜日。デートの最終日だ。まさか俺が妹とデートすることになるとは。まあ兄妹でお出かけってところだな。変に意識することもないし、今日は大丈夫だろう。


「お兄ちゃん〜 お待たせ〜」


ミニスカートにおしゃれな白の服。めっちゃ可愛いじゃねえか。やべえ。勝手に意識しちまう。


「お、お兄ちゃん、この服どうかな?」


「う、うん。す、すげぇ可愛いぞ」


「そ、そう? ありがと」


落ち着け俺。相手は妹だぞ。変な気は決して起こしてはならない。とは思いながらも俺は理性を保てるのか?この可愛さはやばいぞ。


「今日はどこに行くんだ?」


「それはね〜 テーマパークよ」


テーマパークか。この前に美香と遊園地に行ったばかりだが、まあいいだろう。てか何で学校に行けないあかりがテーマパークには行けるんだ?わかんねえなぁ。


「あとね、お兄ちゃん。一つお願いがあるの」


「ん? 何だ?」


「今日一日は妹としてじゃなくて恋人として接してほしいの」


「・・・・」


これはまた大変なお願いだな。妹を恋人としてか。いつも一緒にいるんだから、妹と恋人とでは何か違うのか?そもそも俺はあかりを妹目線でしか見たことがない。そりゃあ可愛いと思うけど、それは全部妹としての可愛さだ。どうしようかなぁ。


「・・・わかった。今日一日だけだぞ」


「やった〜 ありがとお兄ちゃん、いや、快斗くん

❤️」


ズッキューン。いやいや、可愛いすぎるだろ。これは夢か?目の前に天使がいるではないか。天使様、俺を連れてってくれ。


「お兄ち・・、いや、快斗くん?どうかした?」


「い、いや。何でもない」


危ない危ない。妹にあんなみっともない気持ちは見せられない。俺、今日一日は理性を保つんだ。妹に惚れるとか絶対ないだろう。


「別に言いにくかったらお兄ちゃんでいいぞ」


「い、いや、今日ぐらいは快斗くん❤️って呼ばせて」


「あ、ああ。わかった」


はぁ〜 ちょっと油断するとすぐ理性がぶっ飛びそうだな。気をつけないと。


「わぁ〜 見てみて〜 こっれ可愛い〜」


ここは動物園だ。あかりは昔っから動物がとても好きだ。幼稚園ぐらいの時にはよく犬や猫を拾ってきてお母さんに怒られてたっけ。よし、ここは何かお土産を買ってやろう。


「あかり、何か欲しいものはあるか?」


「そうだね〜 え〜っと・・ ソフトクリーム」


「・・・・」


そうきたか。てっきり動物のぬいぐるみやキーホルダーが欲しいのかと思っていたのだが。まあいいか。


「よし、買ってやろう」


「ほんと〜? やった〜」


俺はバニラ、あかりはいちごのソフトクリームを買った。


「これ、おいしいね」


「ああ、ほんとだな。ほっぺについてるぞ」


「あ、ほんとだ。てへっ❤️」


「・・・」


やめてくれよ。俺、お前に抱きついてしまうぞ。仕草がいちいち可愛いすぎるだろう。


「どうしたの?」


「いや、あかりが可愛いなぁと思って」


「もうー それを言っちゃうから。恥ずかしいからやめてよ」


「す、すまん」


しょうがないだろう。だってほんとに可愛いんだから。俺にどうしろって言うんだよ。その笑顔とか年頃の男子なんか1発だぜ。


「じゃあ次は遊園地に行こ」


「あ、ああ」


ああ〜 やっぱ美少女って反則だろ〜 俺は嬉しそうに遊園地に向かうあかりを見てそう思った。

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