俺にとっての妹

第1話 この小説はまさか・・・

俺は朝、毎日朝ごはんを作り、高校に行き、そして放課後、小説の編集者と打ち合わせ、と何気ない日々を送るつもりだった。つもりだったのだが...


「赤坂快斗・・ お前の作品、打ち切りかもしれん」


編集者の一言で俺は地獄に突き落とされそうになった。これでは俺の収入源が無くなってしまう。


「なんで打ち切りなんですか⁈」


頭の整理が追いつかず、とりあえず理由が気になった。


「まだ打ち切りとは言ってない。実はだな... 」


俺はショックより驚きの方がでかかった。俺の小説に作風がよく似てて、おまけに面白さやエロさも数倍上の作品があるだと⁉︎ ・・・別にエロさを求めているわけではないが、しかも表紙が自筆で超可愛いときている。これじゃあ男性にも女性にも受けるだろうな。少し尊敬しながらも俺は、編集者に名前を聞いた。しかし、編集者の答えは


「わからん」


予想していない答えだった。


「作者がわからないってどういうこと

どういうことですか?」


「毎回原稿だけメールで送ってくるんだ、余計な詮索はしないというのが 原稿を書く条件だったからな」


実に不可解な作者だ。自分の作品に人気がでているのに名前すら名乗らないとは。俺だったら自慢しまくるのだが。


ちなみに俺の作品について少し紹介しておこう。

話のあらすじは、ラブコメものだ。兄妹が友達との青春を過ごしていく間にいつ間にか惹かれあっていく、そんな物語だ。よくありそうな話だと思うだろうが、これには俺の体験談も少し入れてあるのだ。こんな作風は真似出来ないはずなのだが、偶然とは怖いものだ。


「ん、本当に偶然か??」


「何か言ったか?」


「いえ、別に」


少し心当たりありながらも俺はこんなところでは負けてられない。そう心に決めて編集社をあとにした。


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