村上佳菜子×お鍋詩

買い出しの時点で既に楽しい

出汁は何にする?

つみれ?つくね?

おネギに白菜、糸こんにゃく

あるいはウインナーソーセージ

あれもいれよう

これもいれよう

詰め込んだ袋を両手で抱え

いざ パーティーの始まり


カセットコンロに火を付けて

じっくりぐつぐつ鍋が鳴る

あぶくがいっぱいになったら

まずは野菜をひとつまみ


今日は彼女が奉行さま

次は白菜!

次はつくね!

てきぱき箸で取り仕切る

見事な采配 名監督


それが何より楽しそうで

それが何より美味しそうで


いただきます!のほっぺたが

紅く染まった秋の夜

コップに注いだ日本酒に

キューっと絞れるその笑顔


それが何より嬉しくて

それが何より幸せで

もみじ葉ひらり鍋の上

寒空に響く笑い声

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