王よ

これをお収めください

記録型円盤でございます

回転台に載せ

金の針で擦ると

流れ出づるは

これは私の声だ

これは私の叫びだ

これは私の歩みそのものだ

左様にございます、王よ

今まで成し遂げられたご偉業

その全てを刻みつけ――

すると王は肩をいからせ、つかつかと階段を降り、

回転台から円盤を剥ぎ取り、真っ二つに割った。

「ご偉業の全て」だと

誰が終わりだと言った

これから起こりうることは

もう刻めないというのか

記録型円盤は素晴らしい

だが今の私には要らぬ

もしこれに針を落とすならば

それは私の死ぬ時だ

私の歩みは、なお続く

割れても欠けても挫けずに

身体の芯のある限り

未だ見ぬ栄光を求め征く

その暁には

何枚でも円盤を作るがよい

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