鍵山優真×端午の節句詩

そよそよと泳ぐ鯉のぼり

風にたなびく青い鯉

矢車の音が涼しい


縁側に腰掛けて

柏餅をひとくち

君は真鯉を見上げた


大きい真鯉はお父さん

子供を率いて

しなやかに先頭を切る


鯉は滝を遡り

いつか竜になるという

どんな急流でも

どんな子鯉でも

父の背を追って

いつかは……


日向で夢を見る君

五月人形の鎧が

部屋の奥で鈍色に光った

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