アレックス・シブタニ×DNA詩

螺旋階段を昇ると

4文字のアルファベットが

不規則に並んでいた

この暗号に触れる


顔の形

声の色

背の高さ

優しさ

強さ

脳の働き

心の動き

僕のすべてのデータベース


さらに昇ると

母のデータベース

父のデータベース

同じ文字列をいくつか見つけた


自分のデータベースを

書き換えようと抗っても

決して消えないもの

僕を形造る文字列たち


母を真似て

父を真似て

この世界に初めましてを告げた時の

紛れもない僕の証


さて、妹は

僕らの何を真似たのか

どんな文字列があるのか


螺旋階段を降りてみた

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