第7話 Arrive in Hakone(箱根へ到着)
山田「そろそろ、芦ノ湖ですね。」
僕は時計を見た。時刻は丁度13時でなったところだった。
僕「山田君、この景色って箱根った感じだよね。なんだか空気が澄んでいる感じがしますね。」
山田「そうですね。天気も晴れていて、雲一つないですよね。さすが、酒井さんのパワーですよね。」
僕「そうかもね。これぞ、酒井パワーって感じでしょう!」
山田「その通りですね。ところでなんだかお腹すきませんか?」
僕「そうだよね。車の中ではドリンクだけと、ちょこっとのお菓子だけだもんね。どちらかで食事しましょうかね。」
山田「了解です。」
山田は、駐車場に車を止めた。僕は車のドアを開け、外へ出た。
山田「酒井さん、お疲れ様でした。ちょっと芦ノ湖の空気を吸っていきませんか。」
僕「そうだね。芦ノ湖の棲んだ空気が気持ちいいよね。」
山田「俺、この景色を酒井さんと一緒に見たかったんですよね。」
そう山田が話していた時、芦ノ湖の水面にトビが下りて魚を仕留めていった。都内では感じ取ることができないなんだか自然を垣間見た瞬間だった。
同時にその瞬間、一瞬ではあったが、湖からの風が僕の頬をかすめていった。なんだか心地よい感触だった。
僕たちは、芦ノ湖の湖畔にあるお土産物店が数件入っている建物の2Fへ上がり、そこにあったレストランへ入った。店員が僕と山田を湖畔が見える窓際の席へと案内をしてくれた。
店員「いらっしゃいませ。お席へご案内いたします。こちらの席でいかがでしょうか。」
僕「ありがとうございます。こちらでお願いします。」
山田「この席いいですね。芦ノ湖に太陽が当たっていてなんだかキラキラしてますよね。幻想的というか。」
僕「太陽の光が湖畔に反射して、幻想的だよね。さすがパワーストっと言われるだけの地力があるよね。」
そんな会話をしていると、店員が僕たちの席へメニューとお茶を運んできてくれた。
僕はビーフシチューセットにした。山田もおなじものをオーダーした。食事が席へ運ばれてくるまでは、二人とも芦ノ湖の湖畔を眺めていた。
山田「酒井さん。食事が終わってから、どうしますか?俺のミステリーツアーに参加していただけますか。」
僕「了解。山田君の企画のミステリーツアーへ参加します。よろしくです。」
山田「了解です。楽しみにしていてくださいね。俺、どこに行くかは言いませんからね。酒井さん、俺にちゃんと付いてきてくださいね。」
僕「了解。よろしくです。楽しみですね。山田君の企画のミステリーツアー。」
僕は山田とそんな会話をしながら、ふと目を湖畔へ移した。そうしたところ、芦ノ湖の遊覧船が停まっており、観光客が遊覧船から降り始めていた。なんとなく眺めていた僕を山田が気になっている様子が伺えた。
僕「山田君、観光客がぞろぞろと遊覧船から降りてくるね。」
山田「そうですね。でも、外国の観光客が多いですね。」
僕「2020年の東京オリンピックに向けてインバウンドでの需要が多いのかもね。箱根も日本有数のリゾート温泉地ですからね。他の温泉地よりは、ステータスはちょっと高いですけどね。」
山田「箱根って、そういえば、他の温泉街とは違って温泉宿の浴衣で歩いている人を見ないですよね。」
僕「そうだね。さすがにこの界隈を宿の浴衣で歩いていると、ちょっとおかしな人に思われちゃうよね。」
僕と山田はなんだか「ちょっとおかしな人」というフレーズにはまり、店内では大笑いできないので、笑いをこらえるのに二人とも必死だった。
山田「酒井さん、ちょっとおかしな人って何ですか。おもしろすぎですよ。そのフレーズ面白いです。」
僕「山田君。僕も自分で言っておきながら、面白すぎて笑いのツボにはまっちゃいましたよ。」
しばらく、店内で二人そろって、くすくすと笑っていた。
山田「ところで酒井さん、この後ってどちらか行きたいところありますか。」
僕「そうですね。山田君のミステリーツアー参加者としては、何が起きるのか楽しみですよ。山田君へお任せって感じですよ。」
山田「マジですか。うれしいですよ、酒井さん。」
山田「このレストランの駐車場から少し車で移動しますね。箱根園の入口まで移動しちゃいますね。」
僕「了解です。わくわくしてきちゃいました。山田君も成長したもんだなって思っちゃってなんだかうれしいですよ。本当に僕の弟みたいなんですよね。」
山田「弟ですか。まぁ、それはいいとして、到着した駐車場から少し歩いちゃいますけどね。15分ぐらい歩いたところが、今回の目的地です。」
僕「そうなんだ。なんだかワクワクしちゃいます。」
山田「その目的地の途中で、もう一か所の目的地もあるんですよ。かなり、パワーありますから、それに今日はすごくいい天気なので景色もいいと思いますよ。」
僕「ということは、目的の場所って芦ノ湖の湖畔ということですか。」
山田「それは、酒井さん、今は、内緒ですよ!」
僕「了解。」
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