第5話 The day before(旅立ち前日)

旅行の前には、必ず、デジャブを見る僕なので、おそらく、今晩もデジャブを見るであろうと予感がしてきた。今夜のデジャブは、一体どんなものなんだろうかと楽しみになった。明日の箱根旅行の準備をし、愛犬のチワワと一緒に僕は、早々にベッドルームへと向かった。


僕が寝入ってからどれくらいがたったであろうか、僕は夢うつつ状態であった。今まさに寝ているのか、起きているのかわからない感覚であった。


その夢うつつの内容というのは、次のようなものであった。夢うつつの中で、僕は金縛りになると直感した。僕の隣で寝ているチワワの様子は特に何も変わっていない。ということは悪い気が来ていることでないと、僕はその時いつもの動物的勘で悟った。


間もなく、僕は予想通り金縛りになった。金縛りの直前には、キーンとする金属音が必ず耳に聞こえてくる。間もなくし金縛りになると、僕の枕元に女性の姿を感じ取った。その女性は、西洋とも日本ともどちらともとれるような装いだった。僕の枕も元に立ったその女性は、僕の方を見ながらほほ笑みかけてくれている。そのほほえみは、僕にとってはなんだか安らぎを感じるものであった。


その直後金縛りが解けた僕は、気が付くと寝汗がびっしょりとパジャマを濡らしてた。その濡れたパジャマに不快感を覚えて、僕は目が覚めた。目が覚めた僕は時計を見ると、早朝6時を少しだけ回った時間だった。僕はベッドの中でうとうととしながら、起きなくては思い意を決し、ベッドから飛び降りた。僕の隣で寝ていたチワワも、僕と一緒に起き上がった。


目覚めの朝はさわやかな朝焼けであった。ベッドルームの木製のブラインドを上げた。僕はベランダへ出て、朝のさわやかな空気を思いっきり体内へ注ぎ込んだ。


今日は、いよいよ山田と一緒に箱根へドライブだ。こんな天気がいいんだから、なにかいいことが起きるような気がした。しかしながら箱根は山なので山の天気は変わりやすい。折りたたみ傘は持参しようと思った。山田の分の折りたたみ傘も用意しておこう。


箱根までの車内では、どんな曲を聴こうかワクワクしていた。山田は、どんな曲を選択するのか楽しみである。時期も時期なので秋空にマッチするさわやかな曲が似合うと思う。僕は身支度を整え、山田の迎えを待った。今回は日本国内で一泊二日なのでそんなに荷物はない。


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