第4話 Mutual thoughts(お互いの思い)

この時は、まだ僕と山田の気持ちの変化をそれぞれ感じ取ることはできなかった。まさか箱根でそんな展開にあるとは、この時は思ってもみなかった。


山田「俺、箱根のスケジュールを考えていたら、あっという間に時間が経っちゃいましたよ。いいコースを考えちゃいました。当日は俺の運転で箱根まで行きましょうよ。俺が酒井さん宅まで車で迎えに行きますから。」


僕「OKですよ。楽しみですね。車でドライブって久しぶりだから、僕も楽しみです。」


山田「俺の考えたスケジュールっていうのはですね。都内から東名高速道路で箱根まで一直線で向かっちゃいます。芦ノ湖のパワースポットの九頭龍神社と白龍神社、箱根神社を参拝し、パワースポットでエナジーチャージですよ。芦ノ湖の近くのホテルに泊まりって感じですが、いかがでしょうか。時間にもよりますが、芦ノ湖の遊覧船に乗船するのもおもしろそうですよね。」


僕「いいね。パワースポット巡りいいですよね。僕にとって、箱根って気が合うんですよね。だから、好きな場所なんですよ。それに箱根は僕にとって大切な決断をするときに最高の場所らしいですよね。」


山田「それじゃ、良かったです。俺、酒井さんが喜んでくれれば、それだけでいんですよね。」


山田は、僕にそう告げた。僕はなんだかドキドキしてきた。僕たちは、ボーイが運んできてくれたマスクメロンパフェを食べ始めた。


山田「このマスクメロン、マジうまいです。感動ものですよ。」


窓越しに差し込む日差しが、山田の横顔を照らして、なんだか絵になる光景だと僕は思った。


僕「そうでしょ。ここのマスクメロンパフェは絶品なんですよね。新宿高野のパフェは、外れはないですからね。高野のフルーツを使っているのではずれはないですよ。」


山田「そうなんですね。マジうまいっすよ。」


僕と山田は二人、マスクメロンパフェのおいしさに舌包みをうった。


山田「酒井さん、箱根ミステリーツアーの日程なんですけど。酒井さん、9月11日~12日の一泊二日でいかがですか。」


僕「ちょっと待ってね。スケジュールを今、確認するから。」


僕は、ネット管理のスケジュールの確認をした。


僕「山田君。その両日は、OKですよ。僕も丁度休みにしていましたから、大丈夫です。それに丁度平日だから、箱根も混んでなくていい感じだと思いますよ。当日、天気だったらいいですけどね。」


山田「箱根のパワースポット巡りまでは、後三週間ありますね。この時期、台風とか来なければいいですけどね。」


僕「山田君、天気は大丈夫ですよ。僕は、晴れ男だから、天気悪くても雨にはなりませんから、安心してください。昔から何かのイベントの時でも、僕が参加すると必ず晴れちゃうんですよ。」


山田「そうでしたね。酒井さん、晴れ男でしたよね。」


山田「それに先ほど調べたんですが、芦ノ湖の九頭龍神社って、結構、TVでも取り上げられていますね。白龍神社も有名なパワースポットみたいですよ。」


僕「そうなんですね。僕も後から検索してみますね。楽しみですね。そういえば、山田君と国内旅行をするって初めてですよね。とうか僕の国内旅行が本当に久しぶりですよ。」


山田「それはよかったです。酒井さん、俺、ずっと酒井さんのくっつき虫いてもいいですか。」


僕「もちろんですよ。山田君が飽きない限りくっつき虫でOKですよ。不思議な縁で二人は結ばれていますからね。本当に不思議ですよ。ハノイ行きのフライトに搭乗する前までは、僕たちはお互いの存在を全く知らなかったですから。あの瞬間から、お互いの存在を認識できていますから、本当に不思議ですよね。縁って本当に不思議ですね。」


僕は、昨日見た夢の話は、山田にはしなかった。お互い変な気を遣うのは嫌だから、いままでどおりの二人の関係でいたいから、この時は、僕は敢えて何も言わなかった。


僕と山田は、パフェを食べ終わり新宿で解散をした。


僕が自宅マンションへ帰宅すると間もなく、山田からメールが送信されてきた。


山田「酒井さん、先ほどはマスクメロンパフェ、御馳走様でした。すごくおいしかったです。箱根、楽しみにしていてくださいね。」


僕は山田へ直ぐに返信した。


僕「パフェ、おいしかったね。山田君も帰宅したようで一安心です。箱根、楽しみにしていますからね。」といった内容で返信をした。


僕と山田がパフェを食べて以来、お互い日常生活に追われ、バタバタとしていた。気が付くとあっという間に、箱根へ行く日が翌日となっていた。


箱根旅行前日、山田から確認のメールが送信されてきた。


山田「酒井さん、お疲れさまです。明日、いよいよ箱根へのドライブなんですが、予定通りで大丈夫でしょうか。俺、すごく楽しみなんですよね。返信、待っていますね。」


僕が山田からのメールに気が付いたのは、夕方過ぎてからだった。僕は確認後すぐに返信をした。


僕「山田君、返信がおそくなりすみませんでした。明日の予定変更はないですよ。僕もすごく楽しみにしています。明日は、パワースポット巡りと、温泉へ入ってゆっくりしましょうね。後はおいしい食事も楽しみですね。」


と、僕は山田へ返信メールを送った。即、山田からレスが届いた。


山田「酒井さん、お疲れ様です。明日は、本当に俺、楽しみです。AM9時ぐらいに酒井さんの自宅マンションまで迎えに行きますからね。よろしくお願いします。」


僕も即レスをリターンした。


僕「山田君。こちらこそ、よろしくお願いします。楽しみです。」


僕と山田は、その日はそのメールのやり取りで終了した。僕はなんだか幸せという高揚感に包まれた。僕は、なんだかワクワクしてきた。ただ単に箱根までの旅行へ行くってだけではなかった。


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