第150話 闘技場第一戦
という事で、
「最初に登場するのは……
黒光りするルーン文字が刻まれたハーフプレートと、宝石が埋め込まれたバスタードソード――上位者であるほど高性能な装備することができる
「それでは……無謀なる小さな挑戦者を紹介しよう。ロザリー・シャルロット……戦姫の生贄の登場だ!」
しかし――当事者一人であるロザリーにとっては、そんなモノは全く関係なかった。
「君は……本気で僕と、戦うつもりなんだよね? だけど……そんな小さな身体で勝ち残れるほど、
全身から膨大な魔力を放ち続けるメリッサを――ロザリーのガラス玉のような幼い瞳が嘲笑う。
「
「ああ、その通りだが……君みたいな子供が召喚できる
メリッサはロザリーを馬鹿にしているのではなく、むしろ、敬意を払って全力で戦おうとしていた。
しかし……彼女の常識の範囲では、『ダンジョンマスター』ロザリーの実力を把握する事など出来なかった。
「カイエ様から、せっかく許可を貰ったんですから……ロザリーちゃんは、全力で戦わせて貰うのよ。我が……下僕たる最強の
ロザリーの召喚魔法によって、
天使と悪魔とアンデット――全て
通称『ロザリーちゃんのラブリーラビット』は――その名に全く似合っていない禍々しいも巨体な体躯で、
「これは……幻影ではないんだね? 凄く強そうな
魔力によって相手の実力を測る事ができないメリッサは――自分が負ける事など全く考えていない自信たっぷりな態度で、『ラブリーラビット』に対峙する。
「カイエ様……一応、確認しますけど。ロザリーちゃんは、この馬鹿な小娘を、本当に成敗してしまって良いんですよね?」
「ああ、当然だな……ロザリー、全力で叩き潰してやれ。だけど……間違っても殺すなよ?」
カイエの面白がるような視線に――ロザリーは邪悪な笑みを浮かべる。
「了解したのよ、カイエ様……魔族の小娘、己の愚かさを思い知るが良いのよ!」
『ラブリーラビット』の金色の巨大な拳が――無慈悲にメリッサへと振り下ろされる。
その圧倒的で絶対的で絶望的な一撃に、メリッサは避ける間もなく圧し潰される……
「――エスト」
「ああ、解っている……
次の瞬間――
「こ、これは……どういう事なんだ?」
メリッサは無傷で、闘技場の中央に立っていたが――
「勝者は……ロザリー・シャルロット! 無敗の戦姫であるメリッサ・メルヴィンが……我々の前で……初めて破れました……」
途切れ途切れに聞こえる実況コメントに――メリッサは自分が敗北したことを実感する。
「まさか……この僕が負けるなんて……」
愕然として自分の掌を見つめるメリッサに――
「別に、おまえが悪い訳じゃないけどさ……これが現実で、まだ戦いは始まったばかりだからな?」
カイエは意地の悪い笑みを浮かべる。
「そうだな、カイエ……メリッサ・メルヴィン。次の相手は私だ――『
「戦士としての技術……そのようなものを学ぶ機会は無かったからな。力づくで申し訳ないが――メリッサ。魔法ではなく、物理攻撃で君と対峙しようか!」
カイエから教わった
続く――
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