第2話 かれし

ある休みの日。

ぼくとまやはふたりで某カートレースゲームをしてた。

ぼくは自分で言うのもなんだが、ゲームはうまいほうだと思う。

まやもゲームがうまい。ぼくが少し油断したら負けるほどだ。


そんなまやはやっぱりかわいい。

ぼくの通っている学校でも、「お前の妹、めっちゃかわいいよなー」ってよく言われる。ある時なんか、親友から「実は猫助の妹、狙ってるんだよね…」って、

相談を受けたときもあった。(特に何もアドバイスはしてないが)


ああ……やっぱりまやはかわいい……

と、横顔に見とれていたら、独走1位だったはずなのに、いつの間にか5位まで下がっていた。まやがいま1位だ。僕はそのまま負けた。


休憩タイム。まやは、お菓子と飲み物を持ってきてくれた。

飲み食いしながら、唐突にぼくは聞いてみた。


「まやさぁ……」

「ん?」

「彼氏とかいるの……?」

「え?何を急に……」

「いや、ちょっと気になって」

「……」

「……」

「……彼氏はまだいないけど、気になっている人はいる」

「あ、話してくれるのね」

「もう!お兄ちゃんのバカ!!!」


まやはそう言ってぼくの体をポカポカなぐり始めた。

恥じらっているまやもかわいい。


「いたいいたい、ごめんってば」


そのあと、ゲームを再開してずっと一緒に遊んでいたが、

まやが怒りのパワーで強くなったのか、ぼくがさっきなぐられて弱体化したのか、

ぼくは全戦全敗した。

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