「ジャックと豆の木」の宝とは(3)

 ジャックが魔法の豆を手にする30年前。雲の上に浮いている巨人の島では、500人の巨人が住んでいた。

 巨人は争いが大嫌い、いわば平和主義者。しかし、意見が食い違い争うこともある。しかし、争いは大嫌い、喧嘩もしたくない、そういった人種だった。


 ある日、巨人の島の王は、立ち入り禁止区域に入り、この巨人の島の先端まで行き、地上を見下ろし、今は亡き両親から聞いたあの話を思い出していた。


 今から150年前、かつて巨人は、あのとてつもない広い大地に住み、楽しく暮らしていた。

 そんなある日。何処かの国の王が馬に乗り、何万人もの兵士を引き連れ、巨人の村に突如現れ。巨人が戦わないことを知ってうえで、1日だけ猶予をやる、この村から出て行け、逆らえば容赦はしない、覚悟しろと脅しきた。

 この村の長老、村長は、この地上に嫌気がさしていた。いろんな噂を耳にする。争いを仕掛け何もかも奪って行く連中が増えていると。

 そこで長老は、魔法というもので雲の上に巨人の島を造り。その夜、全村民は、巨大な箱舟に乗り地上を後にした。そのあと、長老はある宝を残した。

 もし地上に争いがなくなり、また地上に暮らせる日が来るならば、この宝を残す。これは、巨人の島と地上を結ぶ架け橋となる魔法の豆だ。


 宝箱の中には、手紙と魔法の豆、3粒が入っていた。


 巨人の島の王妃は、あの美しい地上の広大な大地で暮らしたいと、最近口癖のように言う。巨人の島の王は、あれから150年経った、そう思い、あの魔法の豆を使うことに決め。あの魔法の豆を1粒地上に落とした。


 翌朝。

 大きな、大きな豆の木が地上に根を張り、巨人の島まで伸びている。巨人の島の王と王妃率いる4人は、地上に下りた。

 巨人の島の王妃は、まるで子供ようにはしゃぎ、思いきり深呼吸し。辺りを見渡す4人は、思いっきり大地を踏みしめ、ここで暮らすのも悪くないと巨人の島の王は思った。

 しばらくして、数百人の家来を引き連れ、この王国の王が馬に乗り豆の木の前に現れ。王自ら、5メートルはあろうかと思われる巨人の島の王の前に行き。

「我こそはこの王国の王である。そこの巨人に聞きいことがある。お前たちは何処から来て、この王国に何しに来た、答えよ!?」

 いきなり、この王国の王の出迎えを受け。巨人の島の王は、初めて間近に地上の人間を見て、その小さき姿に驚いたが、話せばわかると思い。150年前に、この土地に住んでいたこと、もう一度この土地で暮らしたいと思っていることを話し、争いごとはしないと約束した。

 すると、この王国の王はあることを思い出した。我らの城がある場所には、昔、巨人の住む村があったと聞いたことがある。こいつらはこの土地を取り返しに来た。争い事はしないだと、あの図体で何を言う、誰が信じるものか、わしは騙されないぞ。そうだ、こいつらは、この王国を狙う侵略者。侵略者は排除すると決まっている。そう思った、この王国の王は、馬から降り、上役に昇進したばかり2人に声をかけ、何やらひそひそ話をし。上役の1人が家来たち全員を引き連れ、この場を離れ後にし。それを確認すると、この王国の王は巨人の島の王に近づき。

「今、協議した結果、そなたたちをこの王国の国民として受け入れることにした」

「本当ですか、王様?」

「本当だ。約束しょう。その証として、家来たち全員を城に戻した」

 なるほど、争いはしないとい、敬意を示したということか。そう思った巨人は。

「わかった。王様を信用する。その証として、この金貨を受け取ってくれ」

 差し出した金貨1枚を受け取ったこの王国の王は驚いた。手のひらサイズの大きさの金貨だった。

 この光景を喜ぶ、巨人の島の王妃たち。

 その時、この王国の王は巨人の島の王に、この土地に移り住むための準備が2週間はかかると言い。一旦、巨人の島に帰り、改めて2週間後にここに来て欲しと言った。巨人の島の王は了解し、巨人の島の王たちは豆の木を登って行く。その光景を見上げ、この王国の王は。

「侵略者はもういない。あとはこの豆の木を伐り倒すだけだ。巨人よ、その目でしかと見るがいい、我こそがこの王国の王だ!」

 まるで勝ち誇ったかのように鼻高々と笑う、この王国の王。


 しばらくして、50人くらいの家来たちが豆の木に集まり、全員斧を持ち一斉に大きな、大きな豆の木を伐り倒しにかかった。

 そうとは知らずに豆の木を登って行く巨人の島の王たち。しかし、最後尾にいた巨人の島の王は、豆の木を伐り倒す音に気づき、地上を見ると人間たち豆の木の周りに。巨人の島の王たちは急いで巨人の島を目指し豆の木を登って行く。幸い、豆の木が頑丈で、巨人の島の王たちは無事に巨人の島にたどり着き、後ろを振り返った巨人の島の王の目には、豆の木がゆっくりと倒れて行く。この光景に言葉を失う巨人の島の王妃。

 この光景に怒りをあらわにした巨人の島の王は、巨人の島の王妃に急いであの宝箱を取り行かせ、巨人の島の王妃は宝箱を待って来た。

 すると、巨人の島の王は、いきなり宝箱を地上に投げ捨て、人間を信じた私がバカだったと、自分を責め。もう二度と人間は信用しないと誓った。

 この時、巨人の島の王妃の手のひらの中には、魔法の豆1粒が握りしめられていた。


 巨人の島の王妃はジャックに、王の評判を聞くと。新しい王が誕生し、1年経ち。新王は、国民にとても優しく、争いを嫌い、前王とは比較にならない、正義感のある男だと。

 この時、巨人の島の王妃は、もう一度王を信じ、王宛ての手紙を書くことを決め。ジャックに、盗みのことは目を瞑る代わりに新王に手紙を渡して欲しいと頼むと、ジャックは快く引き受けてくれた。しかし、手紙を書き終わると、ジャックは姿を消していた。


 アリスは仮説を立て、その仮説を巨人の島の王妃に話した。即ち、ルークの考えた物語の内容そのものであり、この試練はクリアとなった。

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