ラビーって何者!?(4)
2人は、10分くらいジャングルを歩くと、突然アリスは立ち止まり。それにつられて、ラビーも止まり。アリスはさっきから何かが気になり、後ろを振り返り。
「ラビー、さっきから気になっていたんだけど、何、キョロキョロ見ながら歩いてるの?」
「……いや、だって、蛇が出て来そうな雰囲気だから……」
「えっ!? この時代にも蛇いるの!?」
辺りをキョロキョロする2人。どうやら、2人とも蛇が苦手で怖い。いやな雰囲気になり、もしいたらどうしょうと。
そこでアリスは、スマホを使い、AIアリスおばあちゃんに確認した、この時代に蛇がいるのか。
結果、どうやらいる可能性が高い、蛇の先祖的なものが。しかし、その服を着ていれば寄り付かないと言うが。本当にと、何度も確認し、とりあえずその言葉を信じて、また歩き出した2人。
先程より、歩くスピードが速くなっているような2人だが、10分くらい歩くと、少し周りが開けてきた。更に、5分くらい歩くとジャングルを抜け、草原が現れ。2人は一旦立ち止まり、アリスは恐竜アプリを実行。
すると、150メートル先にティラノサウルスが、まだ寝ていると表示され。目の前の先を見ると、何やら、岩のようなものが見える。ポケットに入れていた、双眼鏡で見ると、間違いなく恐竜の王様ティラノサウルス。
辺りを見渡すと、円を描いたような感じの草原なのか、遠くにはジャングルが見える。
2人は、ゆっくりと気づかれないよう、写真ポイトまで歩き出した。
5メートル歩き、止まり。また、5メートル歩き、止まり。
それを繰り返し、ティラノサウルスに段々と近づき、大きさが増してくる。50メートルくらい進み立ち止まり。いつ起きてこちらに気づき、襲ってくるのか、相手は肉食で狂暴なやつ。でも大丈夫、いつでもタイムマシンが助けに来てくれ。寝姿は案外可愛いかもと思う、お気楽な2人。
また、2人はゆっくりと気づかれないように歩き出し。10メートル進むと、どうやら、こちらに背を向けている。
左側を見ると、100メートルくらい先にはジャングルが見え。右側は300メートル先にジャングルが見える。ジャングルに逃げ込めるように、左側から回り込むことに。いったどんな寝顔なのか楽しみな2人。
その時、後方からなんかドッスと音が聞こえ、ラビーは後ろを振り返ると。
そこには、大きな恐竜が。いつの間に後方にいたのか、まるで忍者みたいな恐竜。まったく気がつかなかった。その距離30メートル。大きな口を開け、襲って来た。
その時、アリスが後ろを振り返り、ラビーが。
「ダメー! きちゃダメー!」
大声で叫び、仁王立ちのまま、両手を前に突き出し、まるで、スットップの合図ように。
すると、10トン以上の恐竜が一瞬に吹き飛び。その距離、100メートルくらい飛ばされ。その光景をラビーの後ろで見ていたアリスは、呆然と立ち尽くし。ラビーは、何が起こったのかわからない。
その時、ラビーの体に異変が。その姿に驚くアリス。いや、既にそれを通りこし、訳が分からなくなっている。その姿は、まるで人間のようなウサギに変わっていた。困惑するアリス。
その異変に気づいていないラビーだが、前方のティラノサウルスが目を覚ましたことに気づき。さっきの恐竜より大きい。2人に向かって走って来た。
その足音に気づき、後ろを振り返るアリス。突然ラビーがアリスに、しゃがんでと叫び、しゃがむアリス。
ラビーは手のひらを広げ、右手を前に突き出した、その瞬間、ティラノサウルスが100メートルくらい吹き飛ばされた。飛んでいく、ティラノサウルスを見ているアリス。ティラノサウルスに手を振るラビー。
アリスは後ろを振り返り、ラビーにお礼を言うのかと思ったら。
「何で、あんなに飛ばすかなー!? これじゃー写真が撮れないでしょう!?」
「ごめんなさい。久しぶりにこの技、違う違う。あーでもしなくちゃ、食べられるところだったんだからね!」
「はぁ!? 私、食べられませんけど!? 足、速いんで」
「それ、知ってるけど、相手はティラノサウルスだよ!?」
「ティラノサウルスが何だって言うの! 私、負けないもん!」
「何、その対抗意識!? ティラノサウルスと張り合ってどうするの?」
「どうするのって、どうするの?」
「だから、こっちが聞いてるの! もう、訳わかんない!」
「そう、それそれ、私が言いたいのはそれなよ。訳わかんないのはこっちの方なの!」
確かにアリスの言う通り。いきなり、恐竜2頭を吹き飛ばし。それに、ラビーの姿、なんか可愛い。アリスの身長は、150センチ。ラビーも150センチくらい。長い耳に、着ていた服も体系に合わせて変化している。
アリスはポケットの中から手鏡を取り出し。これは恐竜対策の一つで、太陽の光を反射して、目くらましに使うやつ。その手鏡をラビーに渡し、鏡に映る自分を見て、元の姿に戻っていることに驚き、消された記憶が90%ほど蘇った。
ラビー、あなたっていったい何者なの。この状況が把握できないアリスだった。
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