アリスとアリス(5)

 アリスたちは買い物が終わり。タクシーに乗り、自宅へ帰り着いたのは、午後0時を少し過ぎていた。

 買い物袋は2つあり。アリスはその荷物を1つ持とうとすると、未来のアリスに断られ。未来のアリスの足取りは軽く、余裕で荷物を両手に1つずつ持ち。その後ろを歩くアリスの右手には、キャリーバッグ。

 玄関先に来ると。雰囲気的には何も変わってない。玄関先には、プランターが5つくらい置かれ、綺麗な花が咲いている。

 未来のアリスは、玄関ホールで靴を脱ぎ、スリッパに履き替えていると。その光景にアリスは、何で靴を脱ぐのか、疑問に思いながら同じようにスリッパに履き替え。自分の家なのに、なぜか他人の家のように感じ、空気感が変わっているそんな感じを受け。辺りを見渡すと、変わった置物や絵画が飾られ。他は、余り変わっていない。60年以経つのに、古びた様子もなく、綺麗にしてある。


 アリスは、リビングをキョロキョロしていると、声が聞こえる。

「あのー、私のこと忘れていませんか?」

 アリスはラビーのことをすっかり忘れていた。アリスは謝りながらラビーをキャリーバッグから出すと。猫みたいに背伸びをし、少し疲れているように見えるラビー。


 すると、キッチンから鼻歌が聞こえ、ご機嫌の様子の未来のアリスは、アリスたちに、何も手伝わなくていいと言っていた。

 しかし、アリスは、料理をしている未来アリスが気になり、気づかれないようにそうっとキッチンに行くと。キッチンは様変わりし。それよりも未来のアリスが、包丁を持ち、野菜を切っている。その姿が母親に似ていて、何か楽しそう。それを見ていたアリスは、私が料理できるとは、まだ習ったことはないのに、そう思い。元の時代に帰ったら母親に教えてもらわないと、そう思った。


 その時、アリスの視線に気づいた未来のアリスは、アリスに、あと20分くらいしたらできあがるから、ソファーに座って待っていなさいと言い。

 アリスは、後ろを振り返るとラビーがいない。もしかしたらと思い、ソファーに行くと。ソファーには、ウサギらしく寝ているラビー。余程疲れていたのか、アリスは食事ができるまで、ラビーを寝かしてあげることにした。


 20分が経ち。アリスとラビーは、ダイニングテーブルに行と。テーブル上には、見たこともない料理が並び。これが未来の料理なのか、アリスはそう思いながら椅子に座り。ラビーは床に置いてある、いろんな野菜がのったお皿を見ている。

 未来のアリスも椅子に座り。この料理を紹介した。

 メイン料理は、オムライス。鶏肉に玉ねぎ、グリンピースとコーンにベーコン、ケチャップ大目のチキンライス。薄焼き卵は、少し固めの昔ながらやつ。スープは、コンソメの野菜入りスープ。そして、野菜サラダ付。デザートは、ストロベリーアイス。


 何故、オムライスなのか。実は、未来のアリスは6年前から健康管理に目覚め。食事改善には日本食が良いと考えた。そこで日本食を覚え。毎日3食、日本食。日本が大好きになった。

 未来のアリスは、今から5年前。どうしても、日本に行ってみたいと言い出し。1人娘と孫と一緒に10日滞在していた。しかし、このことは、アリスには話さなかった。

 

 さて、オムライスのお味はどうなのか。アリスは、初めて食べるその味に感動し、あまり美味しさに、今迄食べた中で1番美味しいと言い食べていた。コンソメスープも美味しくいただき。全て完食し、未来のアリスは喜んでいる。

 テーブルの下では、ラビーもこの野菜美味しいと言い、全て完食した。

 デザートのストロベリーアイスも美味しくいただいたアリスは、このおばあちゃんは凄いと思いながら、私ってこんなに変わるんだと思った。


 食事が終わり、後片付けの手伝いをするアリス。この部屋の時計は、午後1時半になっていた。

 後片付けも終わり。ソファーに座り、向かい合う、アリスと未来のアリス。アリスの隣にはラビーもいる。

 アリスと未来のアリスは紅茶を飲み。くつろいでいると。未来のアリスは、用意していたノート1冊、ボールペンをテーブルの上に置いた。

 すると、未来のアリスは、今から言うことをメモしなさいと、アリスに言い。メモに対しての質問は後からと言った。


 言われるがまま、メモするアリス。

 1つ目は、3週間ここに滞在する。その理由は、タイムマシンの精度を上げる為。現状では、行き先設定に4ヶ月間のずれが生じ、このままでは正確な時代には戻れない。


 どおりで暑いと思っていたアリス。そう、あの時は春目前。今は夏。


 2つ目は、タイムマシンを修理する際は、アリスも手伝う事。3つ目は、滞在期間中は、アニメ鑑賞をしたり、本を読む事。4つ目は、アリスとラビーの部屋は、1階の空き部屋を掃除して使う事。5つ目は、基本外出は禁止だが、ここの庭では遊んでも良い。6つ目は、私の指示には従う事。

 ここで学ぶ事、ここで起きた事は、絶対に多言しない。但し、両親だけには話してもよい。

 次に、ラビーの身に起きたこと、タイムトラベルが原因だが、時空の歪みが予想を超えていた。人間は大丈夫。

 あの日、タイムトラベル後の記憶と、どうやって戻って来たのかの記憶。そこに空白の時間がある。結論から言えば、アリスがタイムトラベルの時点に戻れば、空白の記憶が繋がる。ようするに、空白とは、ここに来た記憶という事。

 極端な話し、ここに1年いたとしても、タイムトラベルの時点に戻れば大丈夫。両親は心配ないという事。

 

 これから起きる事で、私の、アリスの未来を変える事が起きたとしても、私は構わない。


 明日から、タイムマシンの精度を上げ、かなり高性能になる。このタイムマシンは、元の時代に戻ったら、地下室を造り、隠す事。タイムマシンが存在することで、過去、未来にもたらす影響が大きい。この事については、私のAIがお父さんに説明する。以上。


 アリスは、今話したことを全て書き。意味不明のところもあるが、何となくわかったような気がしていた。

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