刀撃スナイパー~十二聖刀物語外伝~
坂崎文明
第一章 刀撃スナイパー
001 ゴーストスナイパー
風守アキラ、13歳、坊主頭の中学一年生だ。
自分でもかっこわるいと思うが、学校の方針なので仕方ない。
それとアキラが何故、カタカナなのか?
ある日、両親を問いただしたら、キラキラネームにするのが面倒だったのでカタカナにしたらしい。
どんだけいいかげんなんだ。
「アキラ!
メガネ隊長から通信が入る。
「はいはい、今、撃ちますよ―――」
全長15メートルほどの人型機動兵器<ボトムストライカー>スナイパーアレイの背中のスナイパーレーザーライフルを水平に構える。
無造作に照準を合わせて、撃つ。
数十キロ先の鬼虎隊の<ボトムウォーリアー>が静かに倒れる。
<ボトムウォーリアー>とは獣型機動兵器の名称で、虎のような形態の機体であり、<ボトムストライカー>の一種である。
スナイパーレーザーライフルの弾道は
しかも、サイレントで火花も散らないのでこちらの位置も分かりずらい。
ほぼ透明なステルスレーザー光線に知らぬまに射抜かれて、敵機の数は確実に減っていた。
敵からすれば、それが一番、恐ろしく、ステルス性の高い機体でもあるスナイパーアレイは、敵軍には全く捕捉できない<ゴーストスナイパー>と呼ばれて怖れられていた。
たが、今回ばかりは勝手が違った。
ゴーストを狩る機体が一機、アキラに確実に近づいていた。
その機体も
時折、モニターの何もないはずの風景が微妙に歪む瞬間があり、何者かがアキラの機体の位置を着実に把握しつつあり肉薄してきていた。
アキラはいつもの迂回行動を取りつつ、<ニンジャハインド>の追跡をかわしつつ、一定の距離を保っていた。
これ以上の狙撃を繰り返せば、さすがに、位置を把握されるおそれがあり、操縦桿を握る左手に汗がにじんでいた。
「メガネ隊長、鬼虎隊の特務機体が近づいてます。撤退してもいいですか?」
無理だと思うが、一応、聞いてみる。
「ダメだ。前線のハネケ隊が苦戦中だ。あと10機ほど狙撃すれば撤退を許可する」
「10機か。了解です」
渋々、メガネ隊長の指示を守り、鬼虎隊の特務機体との戦闘を覚悟することにした。
アキラが今、夢中になっている人型機動兵器<ボトムストライカー>に搭乗して戦う「刀撃ロボットバトルパラダイス」は
ゲーム内には複数の
鬼虎隊はギルドメンバー500人にもなる大同盟で、普通なら全く相手にならないほどの戦力差があった。
だが、<飛礼隊>には伝説があり、メガネ隊長やハネケ隊長は戦国時代で織田信長、明智光秀、真田幸村、石田三成、安部晴明などと一緒に魔女ベアトリスという異星人と戦ったというものである。
あまりにも荒唐無稽な話で、信長と光秀が同時にいるのもおかしいし、大体、安部晴明に至っては年代が違いすぎる。
だが、メガネ隊長、副隊長のザクロさん、夜桜、ハネケ隊長の刀技はその伝説を裏付けるほどの物で、隊員たちの士気と技術は400機の戦力差をものともしないほどの実力があった。
その伝説が本当だとしか考えられないのだ。
100人もの人間が同時に夢を見るとは思えないし、全く同じ記憶を共有する奇跡のようなギルドが<飛礼隊>であった。
そして、<飛礼隊>にはもうひとつ伝説があり、長らく不在だったギルドリーダーの飛礼が<飛礼隊>に復帰していた。
彼こそは<刀撃ロボパラ>の多くのギルドが壊滅した<スケルトン中華ロボ戦>の生き残りのひとりであった。
(あとがき)
アームズマガジン・ミニコンテスト Vol.01
https://novelup.plus/event/arms-magazine-minicontest-vol1/
上のノベルアッププラスのコンテストに応募しようと書きはじめたんですが、締切りすぎちゃって、LINEノベル他に連載中作品です。
締切りには余裕を持って応募しよう(泣)
13歳ぐらい向けの仮想現実(VR)ゲーム小説のロボットバトルのような感じです。
安倍晴明と安東総理のやり直し転生譚 作者 坂崎文明
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880205796
時系列的にはこの作品の後に現代社会に戻ったメガネ君とか信長の話に続く話です。
第48話 地下迷宮探索/複垢調査官 飛騨亜礼 作者 坂崎文明
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154917720/episodes/4852201425154951769
この話の後ぐらいになります。
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