有原組リレー小説 二番手作者 破隕

「友達じゃなきゃ……ダメなの?」

 

 上目遣いで言ってきた、可愛い。

 長い髪の毛に大きな瞳。

 初対面で親友申請してくるコミュ力。

 

 私に無いものを全部持ってる。

 そんな子が私を、私なんかを親友にしてくれようとしてる。

 

 「親友でいこう! 仲良くしてね! 」

 「――ッ!! 」

 

 え? 

 私を置いて走り去る女の子。全然嬉しそうじゃなかった。

 嫌われた、拒絶された。

 泣きたい。嘘、嫌だ。

 また失敗じゃん、やばいどうしよう。

 親友になろって言ってくれたのに、頑張って話しかけたのに。

 なんでみんなに嫌われるの?

 やっぱり傷つくんじゃん。

 きつい、しんどい。

 やらかした、ほんとにどうしよ。

 

 ――放課後。

 

 今日も足早に帰路につく。

 今日は1人で反省会かな。

 食欲湧かない、1人になりたい。

 大好きな音楽聴いて、小説読んで寝る。

 

 私は、もう。

 

 「ただいま……」

 「おかえり〜、転校生と仲良くなれた?」

 

 ニヤニヤしながら聞いてくるお母さん。

 私の気持ちも知らないで。

 なにがあったかも知らないくせに。

 

 「ごめん、今は気分じゃない。夕飯も今日は大丈夫だから」

 

 階段を登って2階に上がる。

 後ろからお母さんに声をかけられたけど知らない。

 1人になりたいの。

 

 いつも聴いてる大好きな歌を流す。

 いつもよりも遥かに大きな音で、今日の事を忘れれるように。

 何故か失恋ソングが心に刺さる。

 今までこんなに胸が締め付けられることないのに。

 忘れたいのに。

 いつまで経っても可愛い咲ちゃんの声が、顔が、頭の中から離れない。

 瞳の奥から、熱い花弁がこぼれ落ちた。

 

 これは……この気持ちはなんなの。

 私の中で芽生えた感情は、この想いは。

 

 暗い部屋、私の枕は濡れていた。

 私の心は乾いたままなのに。


作成 破隕

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