第21話
◆◆◆◆◆
翌日の朝、私はとても緊張していた。
……どうやって断ればいいんだろう。
昨日の夜私はそれを考えるはずだった。
だけど疲れていたらしい私はすぐに眠ってしまい考えることができなかった。
でも今日こそちゃんと断らないといけない。
断るんなら言葉にして伝えないといけない。
私はその言葉を考えなければいけなかった。
おばあちゃんが作る朝ごはんも緊張しているせいでほとんど食べることができなかった。
そんな私におばあちゃんはすぐに気付いてくれたらしく、玄関まで見送ってくれた時に
「大丈夫?」
そう聞いてくれた。
「え? 何が?」
何と言って断ればいいかそのことで頭がいっぱいだった私はおばあちゃんが何に対し大丈夫と言っているのかがわからなかった。
でもおばあちゃんは食欲のない理由に気付いているらしく
「 思ったことを素直に伝えれば大丈夫よ」
優しく笑ってそう言ってくれた。
……あぁ、そっか。
うん、そうだよね。
私はおばあちゃんの言葉を素直に受け入れることができた。
するとそれまでの気の重さが軽減したような気がした。
「いってらっしゃい」
「いってきます」
緊張は薄れたけど気が重いまま私は家を出た。
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