第14話

おじいちゃんとおばあちゃんは私の良き理解者でもあり、いつも私の味方になってくれる。

通い慣れた学校じゃなくて別の学校に通いたい。

私がそれを初めて打ち明けたのもおじいちゃんとおばあちゃんだった。

その理由にも2人は真剣に耳を傾けてくれたし、生れてはじめての私の決断にも理解を示し、応援してくれた。


私のその決断にお父さんとお母さんは最後まで猛反対していた。

そんな両親を説得してくれたのもおじいちゃんとおばあちゃんだった。


私のお父さんはおじいちゃんに頭が上がらない。

そんな理由もあってか

『朱莉の人生なんだから朱莉の意志を尊重してやるべきだ』

おじいちゃんのその言葉にお父さんとお母さんは納得せざるを得なかったようで渋々ながらも認めてくれた。


私にしてみればとても優しいおじいちゃんとおばあちゃんだけどお父さんは“とても厳しい人だった”と言う。

お父さんは子どもの頃からおじいちゃんが怖くて仕方がなかったらしい。

しかもそれは現在進行形だったりする。


私にはおじいちゃんと“厳しい人”や“怖い人”というイメージは全く結びつかない。

いつも優しくて、私の知らないことはたくさん教えてくれるおじいちゃん。

そんなおじいちゃんをお父さんはどうしてそんなに怖がるのか私には全く分からない。


食事が終わり、後片付けの手伝いをしながら私はおばあちゃんに聞いてみた。

「ねぇ、おばあちゃん」

「うん」

「おじいちゃんってものすごく優しいよね?」

「えぇ、そうね。どうしたの、突然」

「お父さんは未だにおじいちゃんのことが怖いんだって」

「そう」

「お父さんが子どもの頃、おじいちゃんってそんなに厳しかったの?」

「そうね。厳しかったと言えば厳しかったのかもね」

「だからかな。でも私には厳しいおじいちゃんなんて想像できないんだけどな」

「そうね。きっとそれは息子と孫娘の違いじゃないかしら」

「息子と孫娘の違い?」

「えぇ、それに余裕もあるかもね」

おばあちゃんはそう言いながらクスクスと笑いを零したけど、私にはそれがどういう意味なのか全然分からなかった。


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