第9話

「一応、告白ですよね?」

「一応じゃなくて普通に告白だよね」

「……そうですよね」

「うん」

「じゃあ、私は断ることもできる……んですよね?」

「もちろん」

彼の言葉に安心した私は

「ですよね。だったら……」

思い切って断ろうとした。


だけど

「でも、小櫻サンは俺の告白を断ったりしないよね?」

彼は私の言葉を途中で遮ってそんなことを言い出した。


「……へっ?」

「小櫻サンは俺の決死の告白を断ったりするような薄情な女の子じゃない。俺はそう信じてる」

「……」

……なんだろう?

この目に見えない圧迫感のようなものは……。

てか、なんかいつの間にか断れない雰囲気になってるんですけど……。


てか、これって決死の告白なの?

それにしては軽すぎるような気がするんだけど。

これって気の所為なのかな?

私は首を傾げ考えていた。


私はこの人と付き合う気なんてこれっぽちもない。

だからここはきっぱりと断らないといけない。

自分の為にもこの人の為にも、ちゃんと断った方がいい。


ついさっきそう考えていた私の意志は

「なにか意見は?」

「……」

「小櫻サン?」

「……ありません」

「だよね?」

「……はい……」

呆気なく打ち砕かれてしまった。

この人が有無を言わせない雰囲気をそこはかとなく漂わせるから残念ながら小心者の私は断ることができなかった。

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