第8話
「だって付き合うのに必要なくない?」
彼は堂々とそんなことを宣【のたま】った。
「は?……付き合う!?」
「うん、そう」
「それは誰と誰が?」
「俺と小櫻サンが」
「付き合う?」
「そう」
コクコクと頷く彼に私は愕然とした。
……えっ? ちょっと待って。
なんかもう付き合うことが決定事項みたいになってない?
私、了承とかしたっけ?
……いや、してないよね。
うん、してないはず……だよね?
ちょっと自信がなくなった私は記憶を辿ってみたけど、やっぱりそんなことはしていない。
これってなにも言わないと、この人と付き合うことになるパターンじゃない!?
ダメだ。
それは絶対にダメなパターンだ。
これは回避しないといけない。
彼と付き合う気なんてこれっぽちもないんだから、ここはきちんとお断りしないといけない。
そう考えた私は、怖気付きそうになる自分をなんとか奮い立たせて口を開いた。
「……あの……」
だけど意気込んでいた割には私の声は弱々しいものだった。
でも彼は私のその弱々しい声を聞き逃すこともなく
「なに?」
ちゃんと拾い取ってくれた。
「これって……」
「うん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます