嫉妬

「姉ちゃん。ミクちゃんの手伝い

終わったよ。」


成美の弟優太は、報告の為、

姉成美に連絡を入れる。


「姉ちゃんミクちゃんが玲香も

連れて来いって、早く終わりそう?

皆で晩飯食おうだってよ。」




「ウーン悪い‼

終わらない、

玲香ちゃんは成るべく

早く帰すから、ミクに謝っといて‼

ってか?メシ何?」


「ああ、ねーちゃんの好きな回鍋肉

と玲香の好きな唐揚げ、味見したけどバリバリしてうまーい。

あと筑前煮 で‼ デザートにプリン

作って貰ったー❤」


成美は机に積まれた資料とパソコンをパチパチパチしながら優太と電話していた。



「ああ、分かった。

タッパに入れて持ってコイ‼」


「ねーちゃん。

料理男子探したがいいぜ

帰った時美味そうな料理が並ん

でると疲れなんか吹っ飛ぶし」


「あーはいはい、余計なお世話‼

あとミクの漬け物も忘れんな

よ。」


「チエッ‼

自分で漬ける気ないのかよ。」


「無い‼」


「ねーちゃん、江戸時代や明治

に生まれなくて良かったなー


直ぐ返品されとるぞー‼

しかも江戸時代なら無礼打ち

にあってるぞ‼」


「エッ‼ なんで?」


「だって

気にせず屁こくだろ‼

まるで親父‼親父‼」


スピーカで話していたからミクは

クスクス笑った。


何日ぶりに笑ったんだろう。


気が付けばいつも、しかめっ面を

していた気がする。


拓哉の浮気も気づかないフリを

して、笑っていれば未だ一緒に

居れたかもしんないなー。

そんな事が頭をよぎる。



糠漬けと梅干しをタッパに追加する。

綺麗に切って並んだ糠漬けも

美味しそうだ。


シソの香りがパァァァと広がり

真っ赤な梅干しが食欲をかりたてる。


『全く拓哉さんも馬鹿だなぁ

こんないい嫁さん手放して』


優太は赤い梅干しをパクつき

(>Ж<)すっぱい顔をしながら

「うまーい。」

と叫んだ。




優太は買ったままの家具の配置や

家電の取り付けなど色々やってくれた。

男手が必要だろうと成美が

気を使って呼んでくれたのだ。


自転車で買い物をしていたら

ひょっこり優くんが現れて

2人で買い物をして、話ながら帰って来た。荷物も沢山あったから凄く

助かった。


優くんは本当に頼り甲斐がある

ホントの弟のようだ。


機械オンチだからワイハ〇や、PC

わかんない事だらけ。

優太君はこうゆうのが得意らしく

パパパとやってくれた。


彼とは子供の頃からの付き合いで

ミクとも姉弟のような関係だ。


部屋には何も無かったから

家電を先週成美と買いに行き色々

悩んで成るべく安いのを購入した。


一人暮らしだからそんなに

散らかさない。


特大の冷蔵庫は成美からの

プレゼント


住処も安く提供して貰って悪いから

と断ったが、


「私達もご飯食べに

来るからデカいの買っとこう」


とポンと買ってくれた。

本当に、女にしとくの勿体ない‼


正直お高い冷蔵庫は有難かった。

最新式だし機能もついている。

料理するのが凄く楽しい。


本当に、何も無かったから

レンジから掃除機、洗濯機

ソファーや、カーテン

出費もかさんだ!


“これからは一人

稼がなくちゃー‼“


新たな決意が芽生える。


一年前に戻っただけなのに拓哉との

結婚生活は色々あり過ぎて

10年くらい過ぎた気がする。


一生懸命拓哉を愛していたのになぁ

最初は拓哉の押せ押せムードに

流されていたけど・・・


一緒に出かけたり、

遊んだりするうちに、

私も拓也を頼っていて

拓哉より私のほうが彼を愛して

必要としてた。


感謝していたのに口で言えば

拓哉の気持ちは離れ無かったの

かなぁ

隣で玲香ちゃんとライ〇する優太を

眺めながらそう思った。


「ごめんね優くん、休みなのに

一日中付き合って貰って

玲香ちゃんとデートだっ

たんじゃない?」


「大丈夫だよ。ミクちゃん。

玲香も姉貴と同じ職場だし

玲香、姉ちゃんといると楽し

そうだし。」


ミクはギンギンに冷えたカフェオレ

を優太に差し出しながら申し訳なさ

そうに言った。


「ありがと‼ 」

そう言いながら

「おおーつめて━━━━🥛💦」

優太はニコニコしながらミクの

差し出すコップを受けとった。



「ねえ優くん、浮気だけは

ヤめといたがいいよ。

ぜーったい玲香ちゃんを

悲しませ無いでね。」


ミクはギンギンに冷えた牛乳を

ゴクゴクゴクと飲みながら言った。


「やだなあ!浮気なんてリスクの

高い遊びなんてしないよー」


「だよね、うん。成美の弟だもん。

大不動産の跡継ぎだもんね‼

成美も会社の人達に、

社長の娘って内緒なんでしょ。」


「うん、そろそろ玲香には

話そうと思う。


俺今の仕事大好きなんだよね。

椅子に座った仕事は無理

俺動きたいもん。


玲香を社長にして

今の仕事は続けるつもり。


姉貴と玲香はベストだしね。

姉貴も30超えてるし

あの性格じゃ、結婚無理かも‼」


「ちょっと優くん

私同級生だよ、私にも

言ってんの、こらっ‼」



「あ、あああ、違う違う💦💦💦

ミクちゃんは別‼

助けてー。」


2人の楽しそうな声は外まで

盛れていた。窓全開、


勝成はその声を聞きながら

超イライラ、窓が開けっ放しな事に

少し安心している自分に気づいた。

7時になると優太はミクの手料理

を持って帰り支度を始めた。


「あ、💦優くんこれ成美の分。

今日はどうもありがとう。」


「ミクちゃんの料理、玲香にも

教えてね。」


「ふふふ玲香ちゃん成美みたいな

性格だし、優くんに教えた方が

いいかもよ。」


ミクはニコニコしながら優太の

肩をポンポンと叩いた。




「確かに、姉貴にも俺みたいな

料理好きな旦那見つかると

いいなぁ」


「確かに・・・。」


楽しそうな二人を苦虫潰したような

顔をして睨む男が居た。

二人は未だ気づいていない。


マンションの前に

黄色い遊び〇のある

車が横付けされている事を・・・


ミクは駐車場まで優太を送って出た


そんな仲のいい二人の会話を

勝成が聞き逃すはずは無かった。

勝成の嫉妬心がムクムクと

頭を持ち上げて収まらない。


勢いよく黄色い車の

ドアが閉まる。


バタン‼


ツカツカツカと近付く気配に

やっと2人は気づいた。


2人してバッと振り向く

男の嫉妬は、女の嫉妬より超特急

スパーンと直撃‼


「お前💥誰?」


突然優太とミクの間に、ゴリゴリと

割って入って来たのは勝成だった。


ミクは目を丸くして呟く!


「勝成・・・さん?どした!?」


ミクの言葉を気にする事も無く

優太に向かって静かな地を這う

低音で


「君は誰だって聞いてる

答えろ‼」


「は? ✧ω✧´アンタこそ誰?」


優太は、危ないヤツなら受けて立つ

つもりで、ガン見した。


いつもと違う男らしい優太にミクは

ビックリ。


勝成もギラッオラオラ状態で、

ガン見する。

いつもと同じ俺様勝成にミクは

ヒヤヒヤ

鼻が着きそうな感じて

アッチ向きコッチ向き

2人は “ガン“飛ばしあうように

メンチ切る。


よく猫が発情期やってる縄張り争い

みたく睨み合い。




「俺はぁ は‼スーハァ

ミクの彼氏だ‼

正確にはミクの、彼氏候補だ‼

お前ミクは、歳上の彼女過ぎだろ

若い子探せミクは諦めぇろぉー‼

街には、ホレホレ若い子

沢山いるだろうがぁーあ‼💢

なんでミク狙うんだよ。


遊びなら、許せねーぞコラ‼」


優太は耳元で叫ばれて

キーン

耳が痛い。


「え・・勝成さん、優くんは・・・そのー

違うの‼」


「チッ、嘘付け昼から

ずぅ━━━━━━っと

一緒じゃねーか!

俺はぁー気になって気になって

仕方ねーの‼分かる?」


チラッとミクを睨み付け

チッ


「えっ、何で知ってんの?」


「そこ驚くとこか?

ミクに惚れたからだよ‼

なんだよ

拓哉と別れたから安心してたのに

“ツバメ“なんか

引っ張り込でんじゃねーよ」


「え・・違うのよ‼」


ミクは慌てて弁解するが

勝成は、カッカ、カッカして

人の話は聞かない‼

違う違うと勝成の腕を握るが

パシン、パシンと振り落とされた。


「おい‼

お前もイケメンと思ってんだろー

ジャーニー〇系だからって

甘い顔をしてんじゃねーぞ‼


俺はなーアレコレミクに近付く方法

考えて.ん.の‼


お前だけ勝手な事、ス.ル.な.

フライングだぞ‼


それにギラッ

ミク‼お前は硬い女と安心して

たのに、は‼、なんだよ

あー‼

ガッカリしたね!ムカツ」


1人で愚痴る勝成を唖然と見つめる

何を言っても聞いてくれないし

説明しても無駄‼

気が済む迄、愚痴らせとくしか無い‼

あまりに長い説教みたいな愚痴に

二人はポカ-ン…


「それって告ってんの?」


優太はニヤニヤしながら聞いた。

「ヤキモチ丸出しなんだけどサ‼」



Σ(lll)


俺はなーヤキモチ?

妬いたことねーくらいモテて来た

んだよ。

ヤキモチ何か妬くかよ!


ってかお前余裕噛ましてんじゃ

ね━━━━━━━━━ぞ‼💥

お前、誰だって聞いてんだ‼

ソコ、答えろ!ツバメ‼」

イライライライラ イライライライラ


「えー?俺?

ミクちゃんの古ーい知り合い

多分あんたより先に知り合って

るよフフン

お風呂に入れて貰ったこともあるし‼

ねーミクちゃん、♡」



「あの・・・勝成さん?プフ

ꉂꉂ・∵ブフッ!!勘違いですって」

アハハハハ


「そうだよハハハハ俺

ミクちゃんの親友の弟‼」


優太も大笑い。


は?

「え・・・と言いたい事はそれだけだ

親友って、あの性格のキッイ・・・


そんな事はどーでもいい‼


一日中一緒に居られる仲なんだろ?

怪しいもんだムキーッ


俺はこうと決めたら突っ走る男だ‼

お前(優太を👉ながら)

調子のんなよ‼

ミクに、 手を出してみろ‼

〆あげるからな‼(♯ `Д´)┘」


クルリ、スタスタスタスタ


「ちょっと待って‼」


ミクは駆け寄り勝成の腕を引いた。


「えっ・・‼」


「あ‼ パッゴメンなさい‼」

ミクは勝成の腕を離した。

2人は黙ったままだった。


「なーんか焦れったいなー」

優太の背後から聞こえる声は?


「ハッ‼えっ‼玲香‼」


優太が振り返ると

顔は綺麗なのに性格キツめの玲香

が仁王立ち‼


「あーイライラする

ミクさん彼に飛び込め‼」


「へ玲香‼」


「優太あれは恋するオンナの

行動よ‼彼を引き止めたい

くらい好きなのよ。ウンウン。」



興味津々の玲香は身を乗り出し

「いけっ、行けっ、いけーっ」

ポコーン

優太は玲香の頭を軽く叩いて

(+。+)イテッ‼」


「帰るぞ‼飯が冷える。」

玲香の野次馬根性は姉貴にそっくり

どっちが弟か、ンーワカンネー」


(´ ’👅’`)ゝてへ☆


「おまえ、アネキソックリ」









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