初めての本気の浮気

「おい、拓哉今日は暇か?」

勝成が声をかけてきた。


「飲み会?ヤダね、俺は嫁Love

だから無理だねー。

行かねーよ。」


「チエッ、つまらん男になっち

まったなー

あんなに女の子食い散らかして

いた、亀嶋拓哉がなぁ、

泣けて来るぜ‼

結婚っておそろしいよな﹏w」


そうこの男、倉敷勝成は

学生時代か らの悪友。

それに密かにミク狙いの

疑惑付き。



「何とでも言え‼

俺はミクと結婚してから

遊びはキッパリとやめましたーぁ」


そうミクが知れば遊びと言えど

怒り狂うに違いない!

約束は破らない!

ってか怖い😱


「おい、拓哉お前は嫁いるから

いいけど俺はいない。

探してる最中

協力してくれても良いだろう。」


勝成はくいさがる。



“フッ “

として体がフワフワした。

又体を抜け出ていた。


“ヤバツ“ 此処で抜けると

困る。魂の俺は宙に浮かび2人の

会話をヒヤヒヤしながら聞いていた。


俺は拓哉の体を出たり入ったりを

繰り返し大事な所に来ると

フッと抜け出すようになっているらしい。


この時の魂はこの時の俺の意思だ、

そっちが強く優先して動く。


今の俺は未来の俺‼

この時の俺に体の所有権は無い。



下をみると、俺は勝成と会話を

している。

そうそれが見えた。



俺は時を遡り、過去の時間にいた。

あの頃の事を見ていた。

見下ろす先は、ちょっと前の自分。




「やだよ、無理無理」

俺も負けじと応戦。


「頼むよ、敦も、潤一も唯人も

来るし、お前が1番のイケメン

なんだし。」


「おー、あの3人もイケメン

上手く行くって、だから俺は行かない‼

お前もイケてるし何の問題が

あるんだよ。

ガンバレ嫁ゲーット‼」


勝成にはキッパリ断ったのに、


俺は奴らに引っ張られタクシーに

押し込まれた。

長年の悪友


俺はあの時、

「行きたい分けじゃない。」

と叫んでいたが本当は少し

興味があったんだ。

そんな下心を今は怨むよ。




黒髪をビシッと七三に分け

顔立ちの整った敦


太い眉がキリリとしまって

葡萄のような真っ黒な瞳の

潤一


柔らかな表情で優しい瞳

ニッコリ笑うと八重歯が可愛い

唯人


額にかかるサラサラの髪

シャープな顔立ちにロシア系の

顔の深みを持つ倉敷勝成


に対して俺は

ちょっと目はキツめ

髪の毛フッサフサ

グリースでしっかり抑え

キリリとした目は俺の特徴

惚れる女の子は沢山いたなぁ。



タクシーの中で観念した俺は

スマホを取り出しミクに連絡する。


嫌がるフリしながら実は、

行きたかったんだ今なら良く

分かる。


奴らになびいたんじゃない

微かだが俺の意思もあったんだ・・・


俺は俺を引き止めるが、

抜け出た魂の俺が何を言っても

聞こえていない。


破滅へと真っ直ぐ進んでいくのを

焦りながら見ているしかない。


「おつかれミク帰った?」


「うん帰ってるよ。

今拓哉の好物のビーフシチュー

作ろうかなってとこだよ。」


「ウワッマジかー」


「うん。肉の塊を昨日厚く切って

塩とニンニクと玉葱ちゃんで煮込ん

でたでしょう。



肉は引きあげて冷蔵庫いれてたから

直ぐできるよー

もう帰れそうなの?」



「ん〜ミクゴメン🙏

ミクに早く会いたいけど

どーしても外せない飲み会が

入ってサー

ダメかな?」


俺は勝成を見つつミクにお願いする。


「ハハハ分かったー

良いよ!

この所ちゃんと約束守って

くれたしOKOK

楽しんでおいでよ。」


「楽しまないよ

俺は帰りたいんだよ。」


「飲み会は会社の!?」

ミクは何となく聞いてきたんだろうが

俺のハートはΣ( ̄ロ ̄lll)┣¨‡ ッ!!


「ん、ああ、勿論!」




俺の慌てように野郎どもは

大爆笑‼

嫁にバレたら二度とおめーらとは

つるまないからな‼



「乾杯ー🍻🍺

ほらほらー拓哉ー

皆美人だし綺麗だろー」


「そうだな!」

洒落たイタリアンの店に到着

勝成は自慢げに耳打ちする。


なるほど、皆若いし綺麗だ


「だからおめーらスーツ

なんだな‼」


気合いの入れ方が違う

職業はCAも、いれば医者もいる。

勝成は本気で嫁探ししてるっぽい


「若い、歳を聞けば24〜26」

それまでミクの顔がチラチラして

いたが、ブボボボーンと脳みそから

ぶっ飛んだ。


「可愛い〜❤」

綺麗なお姉さんの中に

妙に可愛らしい子発見。

先輩に無理やり参加させられたと

言う彼女がいた。

年齢は一番下の23歳❤


(〃 ̄)-~ホ❤-うわぁ、

メッチャ俺のタイプ〜w


昔のノリが戻ってきた。

俺の狙いの彼女は

明るく見えるピンクブラウンの

可愛らしい髪色をして襟足の綺麗な

ショートボブ


クルリとした丸い目で

ニッコリ笑うとタレ目になる。

俺は彼女を見た途端(,,꒪꒫꒪,,)ポ〜

となってしまった。


魂の俺は必死でやめろー

そう叫んでいた、何時ならとめら

れるんだ、馬鹿な俺を・・・

頼むよ、ミクを裏切るのを

・・・もう

やめてくれよ。・・・


隣でお経のようにヤメロヤメロ

呟くのに、俺の目は爛々として

葵に釘付け。



皆美人となると気合い充分

押せ押せ、グイグイと、いつもより

積極的‼


俺も彼女、小池葵に夢中になって

しまった。



俺は、1年前迄モテ期だった事を

思い出してしまった。


そして、あろう事か

結婚生活が窮屈な事に気づいて

しまった。


遊びに行けない。

誘われた飲み会も毎回断り

接待のみのおじさん連中に気を

使いながらグッタリ。


気がつけば、楽しい事なんて

何一つ無かった。


仕事を頑張り、休みは1週間分の

買い物。


ミクは新鮮な野菜狙いだから

9時OPENのスーパーへ車で行く

ミクはペーパーだから俺が運転

早起きは、必須‼


眠たい目を擦りながら嫁に従う

アッシー‼


2人で冷蔵庫の掃除をしながら

色々していたら一日アッという間に

終了。日曜日は二人で一日過ごす


作り置きの料理を作り、

掃除を手伝い昼寝をしたり・・・


そんな毎日が幸せだと、さっき迄

思っていた。


ミクと2人っきりの生活。


でも、思えば同じ事の繰り返し。

生きていて何の楽しみが・・・ある?


こんな一生が一生続くのだろうか?

そんな疑問がふと頭をよぎる。



葵はそんな退屈な世界から俺を

引っ張り出してくれそうな気がした。


酒をやめた人が1口と、飲んだ

途端元の酒飲みに戻って

しまうのと同じだ。


もうそうしたら元のタラシ

拓哉が再来。


未だ俺は28だ、遊ばないと

いつ遊ぶ。

このまま人生終わらすのか?

何やってたんだおれ?


若い時って今だろ

まだまだ恋はできる

酒の進みと同時進行にそんな

感情が湧き上がってくる。


少し雁字搦めから抜け出したい

そんな思いが湧いて来る。


これは酒の誘惑なのか?

28から男の色気が増すときなのに

勿体ない。


「亀嶋さん休みって何して

るの?」


彼女は可愛らしく女の子、女の子

した可愛い声で聞いてくる。

その新鮮な問いかけに・・・

彼女が年下だと実感する。


ミクは何時も歳上的な話し方、別に

偉ぶったりはしないけど何となく

俺が歳下的な会話。


葵は歳下丸出し、軽い甘ったらしい

モノの言い方、俺を歳上扱いした

喋り方。


可愛い❤


ꉂꉂあははは

「俺は結婚してるんですよ。

ゴロゴロかなぁ

ぐーたらしてますよ。」


騙す訳には行かないから一応

既婚である事を伝える。



「えー・´д`・残念‼」


「ん?」


「私、亀嶋さん見た時から

ビビビーって来たんですよぉ。」


「ははは有難う

嬉しいよ。俺も君の事凄く

可愛いなって思ったよ。」


「えー❤嬉しい〜。」

彼女は又ニッコリと俺殺しの

笑みを浮かべた。


Www可愛いすぎるー❤

ミクに悪いとも思えなくなり

彼女の魅力に取り憑かれてしまった


恋は盲目まさにソレ。


久しぶりのトキメキ&┣¨‡┣¨‡


「連絡先交換してください。

私亀嶋さんと、お友達に

なりたいです。」


「おう、勿論いいよ。」


俺達はこうして知り合った。

それから楽しく酒が進み俺は上機嫌。


気が付くと、1組1組カップルが

出来て消えて行った。



「そう、葵と2人になって

いた。」



「送るよ!

帰ろう遅くなったね。」



葵は又ニッコリとして薄いガーディガウンを羽織ると俺に次いで席を立った。


タクシーの中で俺も喋らないし

お喋りだった彼女も無口になっていた。街のあかりだけが俺達の目に

写っては消えて行った。


彼女のマンションに付く頃突然

彼女は、俺の手を握りしめてきた。



びっくりして彼女を見た瞬間

俺も手を握り返した。

葵よりも強く力を込めて(♡.♡)。


彼女もハッとしたように

見返してくる。


「いいのか?」

俺は静かに聞いた。


恥ずかしそうに彼女は

「うん、♡///>_<///♡と頷いた」


「可愛い、❤初々しい!」

ミクには見られない初々しさ、

俺を見る瞳の恥ずかしそうな感じ❤

“かわいい“


俺のテンションも上がる。

葵のマンションを通り過ぎホテル

街へと進む。


葵がシャワーを浴びている間に

ミクに連絡をいれる。


「もしもしミク

ゴメン、勝成の家に連れて行かれ

てさ、そうそう実家‼


親父さんが泊まれって煩いんだよ

泊まっていいか?」


流暢に流れる俺の嘘‼

ミクは、俺を信用しているから

騙すなんて超カンタン。


「そうなの?

もう遅いし、いいよ〜」


ノンビリ答える何時ものミクに少し

安心したりする。


「明日早く帰るから悪いな、

朝ごはん?

多分用意してくれると

思うから食べて来るよ。」


「はーい。」


初めての浮気だ。

この一年ミクだけに、のめり込み

ミクを愛して来た。


真面目だった俺に

たまのご褒美くらいあっても

いいよな‼


葵には既婚者と伝えてある。

葵も同意してくれている。



この時、俺はどうかしていた。

20代前半の葵、30代前半のミク

比べては行けない2人を比べて

俺は葵に走った。




若い女の子を抱ける興奮

ミクを裏切る興奮

震える程、たまらなかった。


そんな興味本位の性欲の為に

とても大事なツインレイを裏切った。

ミクは大事なツインレイだと知っていたのに。


そう俺は不倫のドアを開けて

しまった。

ミクは妻で、葵は恋人。

俺の中では別物。


どちらを選ぶなんてしない。

ミクはかけがえの無い家族

俺の実家の大事な嫁であり

姉であり、俺の妻。


葵は俺だけの彼女であり俺の恋人


俺は葵にのめり込み葵の可愛いさに

溺れてしまった。


なあに見つからなければ大丈夫


もしバレたとしても

ミクは俺に惚れている。


おれに


おれに必ず帰って来る。

あの離婚騒動の時のように・・・



葵も家庭を壊すなんて思って無い

いずれ葵に

俺より好きな男が出来たら、

快く送り出すつもりだ。


俺が既婚者でもいい。


そんな可愛い事言う葵に、愛情を

注ぎたい、葵が愛おしい。


俺は間違ってるのか

自分の気持ちに正直なのは悪い事か?

素朴な質問の答えは

男だから浮気の一つや二つ

あって当たり前!!

みんなやっている事だ、男と女が

いる以上それは仕方が

無いことじゃないの?

お互いが求めるのなら自然の法則で

惹かれ合うものなんだ。

だから人生楽しいんだ。

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