離婚届
「ただいま〜拓哉。」
しかし拗ねているのか寝室から出て
来ない。
ま、無理はない、あれから1週間
お一人様を堪能してきた。
成美と食事に行ったり、
飲みに行ったり、旅行したり
あー楽しかったぁー
疲れたぁー、契約切れるまで住み
着いていたから自由自由。
成美のおじいちゃんだから
融通がきくー。
久しぶりの独身気分
勿論拓哉が合コン行こうが
女の子と遊ぼうが、それは拓哉の
自由にしても良いと思っていた。
拓哉はスッと部屋から出て来て
知らんぷり、かなり怒‼
ミクもムッカ〜話もせずに無視、
ゲストルームにお引越し‼
ふふーんだ`👅´べー
“なっ“ 怒りの表情を見せた拓哉
はミクの枕を握るとボフン
「忘れ物だ‼」
そう言うとドカンとソファに腰を下
ろしミクに投げつけたミクのくまちゃん枕が逆さまにミクの顔面を滑り落ちたのを見て拓哉はゲラゲラ
クッソオーオー
ミクはバックから缶ビールをとりだし、アホのように笑う
拓也にビールをシャカシャカ
誰もが今予想している
プッシュー
ꉂꉂあははは
ꉂꉂあはははꉂꉂ
ꉂꉂあははは ざまぁwwww
ミクは少し仕返ししたい
そんな気持ちがフツフツと湧いて来たザマア。頭からビールの匂いを
プンプンさせながら
ベッチョリした拓哉を見て、
あははは大笑い‼
グルリ
凄い形相のたくやが振り向いた。
(✧"✧)
「な、何よ、やる気‼」
ソファからスックと立ち上がり
ジワリジワリ近づく拓哉に
二、三歩後ずさるミク‼
ミクに、顔を近づけ拓哉は
携帯を 取り出し・・・ニンマリ
頭からビールの雫がポタリポタリ
ミクはカンビール液体がかからない
ように肩を右、左、右、左
「勝成か📱」
(拓哉はジー っとミクから目をそらさずに ニヤリ
拓哉は、勝成との会話を続ける。)
「誘われた合コン何時?
おう、いいよ。
七時か‼OKOK
じゃあ あ、と、で、な‼」
ミクの顔の3センチ前で
勝成に電話をした拓哉は
ニヤリと笑いながら電話を切った。
『まだ合コン行くつもりかー‼拓哉の
野郎、くっそおー‼』
怒り爆発
ミクも離婚でいいと思った。
「フン、行けばぁ、
((( ̄へ ̄フンッ!!
じゃあご飯要ら
ないよね。」
「ああ、今日女の子食べてくる
から、女のー“子“
ミクみたいな
オバサンじゃ無いぜ
女の子‼ 子、 若い 子」
キ─︎─︎ッ!!(_`Д´)_クッソォォォォォ!!
「一回言えば分かる‼」
「行って良いんだな‼
ああ、ついでにコレも出して
来るかなぁ!」
ピラピラと人差し指と親指で
ピラピラミクの置いていった離婚届
一瞬青ざめたミクを勝成はニヤニヤ
しながらおどけてみせる。
ホレホレ
「ちゃーんと書いてあるぞ‼
見てみ‼ 俺のサイン `∀´
達筆だろー、小学校の頃
習字習ってたんだよナー。」
ミクの顔に押し付けて
来る。パシパシ
ミクは壁に押し付けられ、
ホレホレと顔に当たる離婚届を
ブンブンと振る。
フン‼
顔を近付けて来た拓哉はパッと
態勢を変え
振り返り6人掛けのテーブルに
パ━━━━━━━ンと離婚届を
叩き付けて浴室に消えて
いった。
ふにゃふにゃ崩れ落ちるミクを
浴室のドアの隙間から覗いた拓哉は
フフフンフフフン♪♬♪上機嫌。
ミクは離婚届を握りしめ泣いていた。
うううわぁーん
うううわぁーん、
ヒックヒックヒック
拓哉はその悲しそうな泣き声を
聞いたが、後に引けなくなり
少しオロオロ
「い、行かないで下さい。
って言えばぁ、やめてあげても
いいんだぞ、心底謝るなら
考えてもいい。」
浴室から拓哉は叫んだ。
ミクは謝ら無かった。
仕方なく拓哉は渋々だが
これみよがしに合コン行きの準備
を始めた。
ビシッと大人らしくキメたスーツピッ
ドライヤーで乾かした髪に
ワックスを塗り塗り仕上げは
お手手で、髪をシューッ!
イケメンが更にイケメン。
ミクも、ゲストルームのドアから
様子を伺つていた。
スーツ姿って事は皆かなりな本気?
スッとした後ろ姿もイケメン♡
玄関を拓哉が出て行ったら
市役所へいこう。
密かに決心していた。
イケメンでも許し難い💢💢
妻ある身で合コンはどうよ!
様子を見ながらウンウン
自分に気合いをいれる。
又、成美におじいちゃんの
マンスリーマンションを頼んでもらお。
成美が資産家の娘で良かった。
6時、カチャリ バタ━━━━━ン‼
とドアの音が盛大に聞こえた。
ワザと出て行った感を出してやがる。
クソッ
ミクもスックと立ち上がり
バックの中に離婚届を詰め込み
玄関へと向かう。
走りやすい、TシャツとGパン
靴箱の中から、お気に入りの
スニーカーを取り出し、
上がり場に腰掛けながら靴を履く。
よっしゃよっしゃと
その場ランニング、良好、良好‼
パタン
拓哉と同じ音を立てて、
マンションを出た。
まけてられっかぁ💢
キョロキョロ
前方に、拓哉発見‼
勝成を待っているのか、スマ〇を
ポチポチ。
ミクは屈伸、アキレス筋伸ばし
準備体操をはじめた。
トットットまたもその場ランニング
信号が青になるのを合図に
ビュューン
拓哉の横を走り抜け横断歩道を渡り
バス停迄走り停車していた
バスに乗り込んだ。
驚いた拓哉は唖然
ポカーン
バスの窓から離婚届をフリフリ
アーンタとはリコーン‼
ばーかばーかばーかばーかばーかばーかばーかばーかばーかばーか
「エッ‼」
今度は拓哉が青くなった。
我に帰った時は信号は赤
車がパッパパッパーとクラクション
を鳴らしながら走り去った。
「待て待て待てーーミクー」
その叫びは、はるか走り去った
バスの後ろ姿に聞こえる訳もなく・・・
拓哉もタクシーを止め市役所へと
向かう。
2駅先の市役所には拓哉が先に着いて
いた。予想どおりのミクは
拓哉に見つからないように猛ダッシュ、ハッと気づいた拓哉も必死で追いかける。
離婚届はミクの手にある。
走る走る走る、
追いかける追いかける、
市役所に入るとリサーチしていた
届け出まで最後の力を振り絞り
ダッシュ=͟͟͞͞
ミクは寸前で拓哉に捕まった
確保されたミクは床に
押し付けられながら、
何やら必死でゴソゴソ丸めた。
そう、紙を丸めていた。
拓哉は何するのか押さえ付けたまま
ポカーン
隙を見つけたミクは
ソオーリヤャャャー
掛け声と一緒に
離婚届受付のおばさん目掛け、
ストレートを投げた。
スローモーションのように
飛び出した紙ボールは宙を飛び
受け付けのオバチャンの両手に、
ビューン
思わず飛んできた離婚届ボール‼
手をさしだした、おばちゃんに
期待の視線が集まる。
\\\\ꐕ ꐕ ꐕ////\\\\ꐕ ꐕ ꐕ////
野球好きそうなおじさんが
椅子を立ち上がり
《ストラーイク‼👍》
おばちゃんは、シッカリと
離婚届をキャッチしていたー“👏
ハアハアハアハア
ハアハアハアハアハアハアハアハア
授受受理されたよ、拓哉!
や、や、やった‼勝った
愕然と崩れ落ちた拓哉を見下ろし
ながら勝利を実感ヤッタアアアアアアア
勝ったあぁぁぁ‼
勝ったぞぉー勝利!大勝利!
「ハアハアハアハア
もう七時だよ。ハアハア
ご、合コン遅れるよ。
サ、サイ、ハアハア、サイナラー。
拓哉の好きな、女の子、ハアハア
待ってるんだから行け‼
食うんだろ、女の子、子‼若い子」
ハアハアハアハアまだ呼吸は荒い
拓哉は何も言わず、静かに、
フラフラと立ち上がり出て行った。
ふうパンパン
ミクは這いつくばっていた
体を起こし身なりを整え
バックを開けた。
考え無しに、ぐちゃぐちゃに
丸めた訳では無い、
おばちゃんに投げた離婚届は
ダミーだ‼
キチンとファイルに挟んだ離婚届を
窓口から出した。
おばちゃんは
「あなた、頭良いね。」
そう褒めてくれた。
離婚届は・・・
拓哉とは他人になる・・・と言う証明
マンションに帰ると
持ってきたままの
トラベルバックを抱え、戸を閉めた。
頭では拓哉の言葉がリンクする。
「女の子食べてくる。
オバサンじゃない
女の子、子、若い子」
だから歳下はいやなんだよ。
そう言ったじゃん。
誰もいない玄関で、靴を履きながら
泣いた。
パタン
静かに閉まったドア
これで拓哉との縁はキレるが。
同時に義実家との縁も当然
キレてしまうンだなぁ。
義母さんや、おばあちゃん
本当の両親みたいだった。
特におばあちゃん。
それがミクの躊躇った理由だった。
“寂しいよー“
心を絞り出すような悲痛な声で
俯きながら胸の苦しさに耐えた。
拓哉は、合コンで飲み潰れ
カウンターに置き去りに
された。
ミク、ミク、ミク
まさかミクが離婚届を持ち逃げする
とは微量も思わなかった。
足速いのも知らなかった。
脅かしのつもりで書いたんだ‼
本気じゃない。
嘘なんだ‼
「拓哉さん、大丈夫?」
俺は知らない女に支えられベッドに
落ちた。妙にスプリングが良かった。
「もうどうでも良い。」
俺はミクを裏切ってばかりいる。
仕方ないんだよ
女の子の方から寄って来るんだ。
「じゃあ、私も知らない人と
遊んでもいいんだよね。
もう他人なんだから・・・
あそぼーっと拓哉しか知らない
なんて・・・ナンセンスじゃね?
他のオトコってどう違うんだろ?
(๑ ิټ ิ)ヘヘッ楽しみ﹏❤
どんなんでるかなぁ〜w
ニャンニヤン楽しみー‼」
ハッ‼
一瞬で目が覚めた!
ミクが他の男と・・・
俺以外の男と・・・
「何やってるんだ、夫婦喧嘩じゃ
ないか‼」
俺はホテル代をテーブルに
置いて急いで、ミクの親友成美
のマンションへと急いだ。
ミクはきっとソコにいる
頼れる人は、俺も彼女しかいない。
他の男に取られてたまるかー
ミクの男は一生俺だ‼
足もスタスタと早くなる。
「ふは〜い。誰?」
「すみません。
ミクが来てるはずなんです。
ミクを出して下さい。」
「ん〜こんな夜中にぃー
ミクは寝てるよ。
ってか、離婚したって聞いたけ
ど?」
「夫婦喧嘩なんですよ。
離婚は間違いなんで・・・。」
「ミクねぇー
どうしょうかなぁー
お酒飲んでるから起きないのよ
明日で良くない?フラフラで
来たのよ!明日話し合いしたら?」
「明日じゃ手遅れなんですよ。
そちらに行きます。
解除して貰えませんか?」
彼女の部屋は妙にスッキリしていて
ミクとは趣味も違っていた。
ミクはスエット姿で寝ていた。
「はいバック‼」
彼女はミクとバックを渡してきた。
俺も未だ酒が残っていて
ヨロヨロ
彼女がタクシーを呼んでくれて
運転手さんにバックを
持って貰ってようやく住処迄
たどり着いた。
ミクを夫婦の寝室に寝かせた。
そのまま俺も寝てしまった。
頑固なミクを縛り付けて置くことは
一苦労だとこの時知った。
「オバサンって言っちゃったし
暫くは許してもらえないだろう。
結構執念深いからなぁ﹏w」
とりあえずミクを
この腕に取り戻した事で一安心。
ミクの寝顔は・・・涙の跡が付いて
カピカピ
泣かせ・・・たょな!
最低ー
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