第9話血と一族②

ーーこの街には、神社がある、それも洞窟の内部に


いや、そこに行くのにはそれほど時間がかからないわけでもない

「龍脈」


そう呼ばれる土地だーーその内部に、いける人間は限られた数しかいない


そして、内部は常に水が満たしてある


だが、今日はお祭りーー今日だけは龍脈の中に入っていい

ーーあの洞窟とは違い


「残骸」は出てこない、当たり前だーー出てくるわけがない


しめ縄がでてくる、塩町は子供のころこの先の光景で泣き出したことがある


ーーああ、やっぱりそうだ

一目見て、手を合わせ、引き返すーー見るに堪えない光景だった


吐き気をこらえながら戻る


(--これが、おかした罪)


先祖が犯した罪なのだろうかーー黙ってなにもしようとしなかった

子とーーじれ自体が罪なのだとしたら

(いや、でもー先祖は先祖らしく頑張ったよ、ものすごく、それより)

今だ


祟り神ーー洞窟の入り口の立て札にはそう書かれている


そんなもの、わかってるーーここに、「祟り神」がいることくらいわかってる


ーーそれでも、震える北風に体を知事めることしかできない

「やっぱりこええ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る