第6話怜悧<れいり>

「はい、異常はないよ」


「どうもありがとうございました」


ここで、治療をしている、治療費は結構馬鹿にならないくらい高いが、

それでも、悪くない気がした

万が一の保険のために、「巣」と同じ役割を持つ「臓器」の移植を考える

それは悪くない話なのだ

ただ、--食費はかなりきつきつになるだろう


それでも、通う、それはそれとしてーー、カーティンふぃぐツリーの能力を掌握する


完全に、自分のものにする

そしたら、自分はーー長年憧れだったことをかなえる資格を持つことになる


ーーずっとあこがれていた、無理かもしれないと思った、でも、、、

そういう風に手ごたえを感じてる、藻の花

「ああ、そうだーー藻の花さん今日はどうするの」

藻の花は、体の「性器」はないーーつまり、男でも女でもない

「うん、そうだねーー今日は銭湯にはいかないよ」

「そうか」

生まれた時から、男として育ってきたーーでも、「銭湯」や「温泉」

海に、プール

それらは、いけてないーーだから、こうしてごまかしている

(自分が、願うことは一つだけーーそれをかなえる、ただ、そのために)

ーーだから、「捕獲」はやめられない、

自分の体内にいるーー「残骸」を人に戻した後のために、だから

なふたりにまけてられない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方塩町は考える、自室で

ーーいったい自分はなんで、「捕獲」こんなことをしているのか

「準ちゃん、ごはんよーー」「はーーい」


(考えてみれば、特に理由なんてないーー、ただ、俺はーー)

何物にもなれないのが嫌だった

虚勢を張って、臆病を隠してーー自分を天才だといっわっった


何をするにも、妹がうまくてーー運動も、勉強も、何もかも

わかっている

じぶんがだめなにんげんであることは、そういう側面があることは


何でも、できる妹は、弱者の気持ちがわからない、そう決めつけていた

でも、そんな自分がみじめだってことは知っていた

ーー少し変わろうとしたんだ

なにもかも、母の後ろに隠れ、妹の庇護下に置かれ

情け容赦なく叱咤されるそんな生活から

自分でも何かを守れるんだってーー

「俺は、去勢した犬じゃねえ」

ーーここで、おれたらそれこそ

妹後ろに隠れーー母の庇護下の下で、ただただ、怒られ、叱られ

独り立ちができなくなっていく

(なぁ?こんな俺でもーー)

役に立てるって、あいつらを人に戻すってきめたじゃねえか

こんな俺でも、守れる未来があるのならかけてみたい


父にも、母にも馬鹿にされ、友達には大事な約束から外され

部活をすれば、レギュラーを一人オーバーした人数の中で

自分だけ、レギュラーに選ばれず

ずっと上を向いて、すごいなって言ってる日々とはおさらばするってきめたろ

「なら、おれんなーーこんなところでおれんなーーまけんじゃねえ

まけてたまるか」

俺たちはかつーーあんな女に負けるかよ


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