第11話 報告

 当夜達は街に戻ると真っ直ぐギルドに向かって行った。ギルドに着くとダンジョンの係員から渡された緊急の札を見せて、それを見た受付嬢の一人が後方での業務を中断して当夜達をローカウンターで対応する為、席を移っていた。取り急ぎ初心者ダンジョンの事を報告すると大慌てで当夜が渡したキューブの確認を行い、四つのキューブの持ち主が昨日の講習受講者だと確認が取れ、しかもケルベロスが出たと言うと


受付嬢「そ、そんな事聞いた事がないです!」


当夜達に言ったのか、呟いたのか、一言発すると慌ててギルドマスターの所に行ってしまった。間もなく受付嬢が戻ってきてギルドマスターへ報告するように言われ、ギルドマスターの執務室に案内された。

 

 執務室に通されると応接セットに座る。当夜とアモネスが座り、残りのメンバーは会議室から受付嬢が持ってきた椅子に腰掛けて待機だ。ギルドマスターの横に受付嬢が立って控えている。

 ケルベロスが出た事と、ケルベロスの魔石を見せ、皆のキューブを魔道具にかざすとギルドマスターの表情が強ばったのた。


ギルドマスター「くし!なんて事だ!のこの10年、少なくとも俺がマスターをしてからは聞いた事がないぞ。それはともかく、死者が出たのは残念だが、お前達のお陰で最小限の犠牲者で済んで助かったよ。とてもじゃないがケルベロスなんか初心者講習が終わったばかりの奴に対処不可能だからな。王都のダンジョン姫に調査を依頼する必要があるな」


 報告を終えて魔石の換金をするとケルベロスが150万で、残りの雑魚が合わせて12万で、一人当たり20万の配布と、パーティー用の資金を62万とした。


 レグナス達は遠慮したが


当夜「小遣いとでも思って持っておこうね。年頃の若く綺麗な女の子なんだから、おしゃれしたり甘い物を食べたりしたいでしょ?そういう時に使うお金も要るでしょ?ね!」


 当夜が言い終わると三人が


三人娘「当夜様が綺麗だなんてどうしましょう」


 そう言い、もじもじしていたが残念ながら当夜には聞こえておらず、受付でお金を預けていた。キューブが有ればどこのギルドでもお鐘を引き出す事ができるし、パーティー用の口座も作る事が出来る。パーティーリーダーが管理出来るので、ついでに口座を開設し、パーティー用のお金はそちらに入れておいた。


 ギルドを出て直ぐに宿へ戻り鎧を脱いで着替えを行い、当夜の部屋に全員集まった。先のダンジョンでレグナスが服を燃やされた関係で、服を買いに行く事となった。

 その前に今後のレグナスについてどうするか決める事となり、当夜の意見として述べた


当夜「今まで胸をさらしできつく巻いていたのを一刻でも早くやめたほうが良い。長時間さらしを巻いていると、乳房の形を司る筋の一種がそのうちに断裂してしまう。そうなるとその筋が二度とくっつかないんだ。胸の形を保つ為の筋が機能しなくなり、そのうちに胸の立体が崩れてしまうんだ。分かり易く言うと、おっぱいの形が崩れてしまうんだ。

 寝た時に張りがなく横に広がってしまい、女性として悲しい結果にしかならない。今はまだ15才だから、胸がもう少し大きくなるだろう。俺からすると今直ぐ止めなさいとしか言えないんだ。父親がね、向こうの世界でこちらで言う産婆や、女性特有の病気の為の治療院をやっていて、俺が跡を継ぐ事になるので、女性の体や、女性特有の病気について勉強していたから分かるんだ。男はこのパーティーに俺がいるからもう男の真似は不要だろう。レグナスのこれからの人生を考えると、女性として胸に自信がなくなるのは忍びないんだ!どうだろう?」


 3人は唖然としていたがはっとなったアモネスとシャクラがレグナスにひたすら謝っている。


 レグナスは慌てて上着を脱ぎ出して、


レグナス「私の胸を確認して下さい。まだ間に合いますか?」


 相当焦っているようで男の前で胸を晒しているのに恥ずかしがらないので当夜は


当夜「ルナ悪いけど手伝ってくれるかな?それとねレグナス、胸を触診する必要から胸を触る事になるけど良いんだね?勿論邪な思いは持たないよ」


レグナス「は、はい。エッチな事しないと信じていますから必要な事をして下さい。それに当夜様だったら望む所ですし、エッチなふうに触られても構いません!」


最後の方は小声だったのでルナにしか聞こえていなかった。


当夜「じゃあまず視認するから横になってね。うん綺麗な状態で火傷もなくなっているね!じゃあ座って貰おうかな。うん綺麗な形が保たれているね。レグナスの旦那さんになる人が羨ましいね。ってごめんね。じゃあ少し触るのと弾力を確認するから少し揉みますよ。恥ずかしかったり、俺が欲望でやっていると思ったら、直ぐに中止を求めてね。ルナが引き剥がしてくれるから。それでは失礼します。うん弾力も張りも幸い問題ありません。形もこういうふうな感じに無理に寄せたりしなければ年齢を重ねても垂れる心配は無いでしょう。反発力も、おっぱいの柔らかさも本来有るべき姿ですから大丈夫ですよ。ちょっと両手でぎゅっと挟むから少し痛いけど我慢してね。うん、大丈夫だ。病気で出来るようなしこりも無いし、健康な乳房だよ。ついでに言うと、レグナスの乳首は、赤ん坊に授乳しやすい形だから、丈夫な子を育てられるかな。終わったから服を着ても大丈夫ですよ。それとこの世界には胸に着ける下着は無いのですか?」


 何故か召喚時にルナはこちらの世界のではなく、日本で売っている下着を着用していた。

 当夜はルナにシャツを捲らせブラを指し示してから、ルナからシャツを受け取り、レグナスに万歳させて着せてあげていたら


アモネス「ルナ姉様が着けているタイプは見た事が無いですが、胸を保護する下着が有るには有るのですが、その、高くて買えなかったのです」


当夜「どんなのが有るのかわからないけど、不足するようなら俺が出すから、ルナのも含め冒険者用の服と下着を買いに行こう!他のお客さんが居なければ店員に断り俺も店に入り、種類を確認したいね。場合によってはルナが着けているのを参考に模造品を作って貰いましょう!」


 皆、目を輝かせて真面目なおっぱい談義とレグナスの診察が終わり、服を買いに出掛けていったのだった。

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