　店に向かう道中レグナスが当夜に

レグナス「先程は有難うございました。当夜様に出会えていなかったら、私の胸は大変な事になっていたんですね！女として救って頂き有難うございました！それとですね、良かったら異常がないか定期的に診て貰えませんか？」

当夜「えっ！まさか！どこか違和感が有ったのかい？」

レグナス「うー、いいえ、そんなんじゃないです！もう何でですか！」

　当夜は何故レグナスが怒っていたのか理解出来なかった。のではない。理解出来なかった振りをしているのであって、彼女達が自分に異性として好意を持っていて、先程の診察云々はレグナスが挑発しているのだと十分理解していた。驚いた振りをしたのだ。

　ルナは宿屋の娘さんに冒険者向けの店、服屋、女性の下着を扱っているお店の場所を聞いてくれていた。

　教えられた冒険者用の服を扱っている服屋にて予備の服と持っていない者の分の外套を購入し、次に女性服の専門店に行ったのだが、先の服屋は単に冒険者用の服をメインに扱っていると言っていただけあって、この女性服のお店は男性が単独で入れる雰囲気ではなかった。

　店の大きさは地方のコンビニ店舗程だ。

　流石に女性服専門店なので店の中は綺麗で、所々装飾がされている。

人形が飾ってあったり、綺麗な絵が飾ってあったり、マネキンとはいえないが、コーディネートされた服を人形のようなのに着せてディスプレイしている。

　普段着を買うように言ってあるので、三人は夢中で選んでいた。一通り買うと、次の店に移動する。

　移動といっても、下着店は隣だった。一旦女性陣だけで店に入り、他の客が居なくなると、店の方に頼んで準備中にして貰った。ようやく店の外にいた当夜に声が掛かり、中に入る事が出来た。

　下着を確認すると普通にブラがあり、普通のとスポーツブラのようなのをチョイスし、目測でサイズを確認してカップを選んであげた。流石にワイヤー入りはないが、しっかりした職人の手作りで肌に優しい素材で作られており、高級感が伝わってくる。三人が試着した状態を確認するが、当夜が直接胸を触って調整する訳には行かず、ルナと店員に指示を出して調整させ、着心地等を確認して貰い購入する商品を選ばせていた。ルナも含め一人３着の下着を買ってあげたのだが、価格に驚いた。

　ブラが絶望的に高く、１枚で金貨５枚もするのだ。田舎の農夫だと１ヶ月の生活費を軽く超えているので、おっしゃれ盛りな歳の彼女達が買えなかった理由が分かった。田舎の農家の出だと高額過ぎる故、縁のない下着の為に彼女達は当然知識もなく、必然的に彼女達だけでは選ぶ事が出来なかったのだ。この世界では作る事が出来はするが、製造がかなり難しく、熟練の職人の腕を必要としたのだ。

　当夜が紳士であると彼女達は誤解しており、当夜はあり得ない位の紳士と信じ切っているのだ。少なくともこの店の中では、当夜は店員と変わらない扱いで、彼女達は恥ずかしがる所か当夜に対して、下着姿を見て見て！状態だった。当夜は下着を買って貰う事が余程嬉しかったんだろうなと、単に浮かれているだけだと勘違いしていたのだったが。

　喜んでいるのではなく、好きな男に下着姿を見て貰い、女として見て貰いたかったのだ。

　下着は当夜からのプレゼントとして金貨６０枚が飛んでいったのだが、彼女達の嬉しそうにはしゃいでいる姿が見る事が出来たのだから安い買い物と思えた。買い物を終え、ご機嫌な女性陣を引き連れて宿に帰るのであった。