「 Pervision」
電話が鳴った
リフォーム完了の電話だった
アメジストとマーキュリー・ミスティック・トパーズ
2本のリングが店に届いていると
まさかお盆前に戻ってくるとは思わなかったので驚きながら家を出ようとしていた
しろがねさんが私を呼び止める
夢見が悪いから気をつけるように という
夕べ 1ヶ月前に見た夢の続きを見たと
1ヶ月前の状況よりリアルに進んでいると
何かの事故で「左」足から白い骨が見えるほどの怪我をし 足を切断した
自分の足の代わりに「女性」の生身の足を義足としてつけた夢
その足が次第に腐り落ちていく そんな夢らしい
左足 特に膝から下に気をつけろよ という
確かに私にも思い当たる節はある
一昨日 朝食を作っていたときのこと
皿に料理を移し 何を思ったのか「左」手に持っていた熱いフライパンの底で
「左」膝を擦ってしまい 軽度とはいえ火傷をつくってしまった
他にも
「左」手首にしていたブレスレットが突然切れた
(どうやら切ったのは「彼」の仕業…らしい)
「左」胸の下が痛い
車を運転していて事故を起こす(ぶつける)のなら「左」側だなとなぜか思っていたり…
ことのほか「左」側に縁がある
気をつけるに越したことはないが 怖いという想いはなかった
起こることならば 何をしても起こる時は起こる
そんなに酷い状況になるような気もしない
ふうん…と思いながら 指輪を受け取りに出掛けた
2ヶ月くらいかかることを覚悟していたのに
当然 お盆前に手にできるなど想像もしていなかった
7月22日から25日目に届けられた指輪
2本とも とても綺麗に仕上がっていた
アメジスト 至高の色を持つ癒しの石
マーキュリー 神々の言葉を伝えるもの 誠実という意味を持つ石
イメージの中にしかなかった指輪を実際に手にしてみて
夫婦のように寄り添う生まれ変わった指輪を見てみて
今 ここに2本揃って私のもとに来るということは
物凄い意味があるのではないかと思った
何かの準備を完了するため?
何かを表わすため?
何かを伝えるため?
それとも来週のため?
……
私は何ができるのだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます