「Silver Moon」

上へ 上へと 自分がのぼっていく

遠く 遠くと 意識が広がっていく

空に浮かんだ白銀の満月

刺すような光に照らされ

やがて ぼくは空と一体化する

ぼくは空自身であり

この広がりはぼく自身の広がりになる

ぼくは白銀の月を包み込む

ぼくの希望の光 愛するひと

光は世界を照らし

信じられないものをぼくに見せる

一瞬 夜風に吹かれ

急に我にかえった

ぼくは自分の足元にある影を見ていた

空に浮かんでいるのではなかった

月と対峙しているのでもなかった

すべては現実

すべては幻…

なぜか自然と笑みがもれた

あらためて澄んだ空を見上げ

ぼくは敬意を込めて月へ礼拝した

これが女神の悪戯でないことを祈って

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