03 不発



 すると、先程まで威勢が良かった男が途端にうろたえはじめた。


「うっ、嘘だろっ。まさか、俺の首輪をっ!」

「来世があったら、次はもっと賢く生まれてくるんだな」


 俺はにやりを笑いながら、モニターに映るそいつが爆散する光景を思い浮かべ、起爆スイッチを押した。


 だが、爆発は起きなかった。


「何だっ、一体どういう事だ!」


 同じ部屋にいる他の者達に尋ねてみるが、誰もが首をふるばかり。


 原因不明の不発。


「くっ!」


 私は歯噛みしながらもフォローする事にした。


「なんてね。驚いたかい。一度は見逃してやるが、次は本当に爆発させるから、覚悟することだ」


 ギリギリと音がしそうなくらい、歯ぎりしながら、マイクの音声を切った。


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