04 帰り道



 聞いて!?

 私、びっくりしちゃった!


 だって、放課後に明久君が一緒に帰らないかって誘ってくれたんだもん。

 夢みたい!


 明久君と一緒に並びながら道を歩いてるだけで、幸せな気持ちになれるよ。


「えーっと、あははっ、今日はそのー、良い天気だったよね」

「うん、朝からよく晴れてるよね。それにしてももう三回目だよ、その話題」

「えっ、そうだっけ? ごっ、ごめんね」

「朝山さんは面白いね」


 だけど、緊張してうまく喋れない。


 うわぁぁぁ、こんなんじゃ駄目だ。

 明久君に呆れられちゃうよ。


 でも、何を喋れば良いのか分かんないし。


 って、意識したらまた緊張してきたっ。


 ひぇぇぇ。


 頭の中がぐるぐるしてきて、目が回りそうになってると、視界の隅に見覚えのある顔が。


 木の影から顔を出したり、ひっこめたり。


 って、あれお兄ちゃん!?


 何やってるの、あんな所で!!


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