『vs覇王少女②』
『vs覇王少女②』
「
そうして試合開始の宣言もあり——いざ、進み出た戦いの舞台。
(……参加者の数は
広がる空や大地やは殆ど天然自然の光景。
上では馴染みある澄んだ
先ず以て『地理的な条件』を確かめる納得にも、既に勝負の世界に立つ青年で油断なく『
「手合わせを願いたい」
それも気配を静かとしつつ声で己の位置を知らせた人。
「……」
「王や神の
「……」
「よって、勝負を願いたい」
聞けば『不意打ち』も出来たろうにそれを嫌うのは『
女神で観察するに特殊な能力の波長はなしの、しかし相対する黒衣の身動き一つも逃さぬような堅い眼差し。
手を厚手の
遠方には百を超えるような
「受けて頂けるだろうか?」
「……いきなりで構わないのですか?」
「この場に立てただけでも高い報酬のあって、何より普段は『火消し』の己で世に聞く『水の化身』を探してのこと」
「……」
「つまり一度は『その技』を近しい業種で素朴にも憧れ、『見てみたい』とのことで……仮にそうあれば遠慮は無用に」
「……分かりました。お受けします」
「感謝する」
そうして人の曰く『この舞台に立てるだけでも報酬のあって』。
ならば憂慮も少なく『戦っても平和的な規定があるなら』と愈々の『実戦』に構える青年。
(……大丈夫。"失われるもの"という物もなければ、全力で——)
「——宜しくお願いします」
「同じく」
周囲の警戒を欠かすことなくも意識を前方に。
「……」
「……——"!"」
人から——仕掛ける。
「————"!?"」
しかし。
過去には『火事場への救出を邪魔する鉄をも砕いた拳』を。
青黒で掌の
「——っ"!」
「"——"」
人が『残りの手で打たん』とすれば。
不純物なき透き通る色に消えた川水。
足場に展開する流体が舞台に立つ人を滑らせ——そのまま『後頭部の衝突がないように』念入りと柔らかく身を
「——……こうも、呆気なく」
そうして悪気のしない拳闘士とは『敬意』を示し合う辞儀の挨拶などもし、中々の技を見切って倒したのが中性的な青だ。
「もしや……貴方が?」
年齢不詳でもあって、早速の脱落者に向けても申し訳なさそうに苦笑で手を振る
もしや『今大会に参加すると噂の
(——
作った『
奪い取った棒を用いて即座に足を掛けて
「ならば『半神と競える好機』と見て俺と勝負だ! 『この国の最強』の座を
(——次!)
「しからば私と勝負です。『この大陸の最強』の座を懸け——"ふぅわー"!」
(——次!)
「『この
(——次だ!)
続いても『此処に強敵のいる』と知って挑戦者たちへ、迎え撃つ川水は宛ら『
火災の『
時に単純に腹への掌で押し流しては、続けて時に別の複数を地上だのに腰元までを迫る流水の圧で拘束しつつ流した先での脱落と同時に解放。
「
また平時は
そうして柱で不意に身を屈めたと思えば、やや離れた場所からの半神的存在が放った『
(安全のためでは、なるべく——"
其れ、身を柔らかく包む安全な水の
回転しながらも道中で大気の水を回収して巨大化しつつに飛び、当てられた半神の人を輪の中心に捕らえて外へと連行。
また間髪を容れずの玉体内部から生産する二枚目、三枚目——手の指の間の全てに挟んだ
「……我が友の調子は良好なようです」
「しかし、問題となるのは此処からだ」
そうして広い舞台の凡そ半分を呑み込むかという流れに巻き込まれ、選りすぐりの『人間のバトルマニアたち』が早くも青年女神の手によって
(そして——)
大勢も着実に処理し、人口密度も低下して見晴らしの良くなった空間。
残っていた水気の霧も回転を止めた青年を中心に
(——……あれが)
四角の形を取った武舞台で川水自身との対角線上にも『人の荒々しく吹き飛ぶ様』のあって。
この場での
("…………")
遠目でも気を一層と引き締め直す青年には見えた——"歩きながら自身へ迫る
光景を歪めて、神の眼の認識なら柱の形は身に纏う熱で『不可視の
鬱陶しくは耳に垂らす『剣』の形を揺らすだけでも、巻き起こる『突風』が周囲の豪傑や達人や、取るに足らぬ剣聖らを弾き飛ばして『赤く燃える銀の柱』が近付いて来る。
「くっ……! この
「"……"」
「なぜですの? どうしてですの? あぁ——"
「"……"」
燃える
「例え顔を隠していても"無駄のない気品の
「"……"」
生来に力を持てば高飛車で高慢な面もあり、故からにその『打ち負かされて丸くなる』のを期待されて大会に放り込まれた貴族もいて。
だが、何か氷の結晶を生成して透明の壁の向こうから『愛を伝えよう』としていた能力者も『
「——ケ〜ラケラ! フォッハッハ! 『ブリザード・プリンセス』の吾が子も真に『
「"……"」
「『
よってからの開幕より程なく。
数分もない時間経過で既に一般的な『俊才』や『逸材』の人や、『半神』も力の本領を発揮する前に雄大な自然現象を瞬時に引き出せる神秘の速度を持つ『水』が——『火炎旋風』が押し流し、『
「"……"」
(……"
人知の予想を遥かに超えた高速の試合展開に語るべきの見当たらず閉口するしかない主催の人の王や、観衆や。
客席の神々も『曰く付きの神性ら』へ黙して観察の目を見張る中に。
(『
「「"…………/…………"」」
今大会の『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます