『女神サーの姫は彦?⑦』

『女神サーの姫は彦?⑦』




「——あ"ぁ"〜〜↓ そう言った所で知己ちきの顔と会い話もして漸く私で肩の力も抜けて来ました」




 そう言って声の音程と共に肩を落とすのは火の神カノン。

 赤色をした髪で明度も冷えるよう、吐く息には外部へ逃す熱も載り。




「信じ難くも"初にする大神たいしん御前ごぜん"は今でも白昼夢はくちゅうむのように記憶の炎へ焼き付いて……女神イディアではよくも慣れたものですねぇ……?」

「色々とありまして」




『……これが"第三世代の女神の方々"。けれど、思っていたより"ぞくっぽい"気もして以外に"話し易い"ような——? もしかして、聞いていたのはこれで全部でしたか?』

左様さよう。「」に始まり、其処で燃える「ほのお」や湧き立つ「みず」に——また吹く「かぜ」さえも統合して貴方も立つ「ほし 」の神格が「はは」の名でも呼ばれる女神』




 そうした比較的に若い『第三世代』と呼ばれる神々の集う場で、"己に場違ばちがい"も感じる青年。

 片手に傾ける杯では己の緊張に冷温を流しつつ彼女らの『高位や大神との謁見の感想』を側で聞きながら。

 意識内では"原初の神性からの補足"も享受きょうじゅして贅沢ぜいたくに時を過ごす。




『レイママさんが……星の』

『だからには「残りのはし」が貴公ら』

『き、切れ端』

『信仰される要素が多岐に渡る万能の神を除くとしても"思想的・形而上けいじじょうの概念"の大半は思索の中に見出される「美の女神」に吸収され、「女神カノン」は広く"炎熱えんねつ"の最大手さいおおて




『また信徒たちにとって""に負けず劣らず取り分け重要で身近な"みず"に限っても「女神ヒキ」は"滞水たいすい"の——つまり「みずうみ」や「ぬま」などで傍目はためには流動の分かり辛い水域の信仰結集しんこうけっしゅう




『……』

『対照に「流れる水」は地域により呼び名が変わっても大体は"青年の管轄かんかつ"となっています』

『……範囲が大まかで広くありませんか?』

『宛ら"印税いんぜい"のように信仰の力が得られるのですから別に構わぬでしょう』

『それは、そうかもですけど……』

『真実としては"大神の闘争"で数は少なく、「具現ぐげんかたよりがある」のも致し方のないことなのです』





色々いろいろとは……まぁ、正に"その髪のように色々"と高位に接する機会じじょうが美の貴方にはあるのでしょうが……それにしても、"息を呑む"」

「?」

「"第三の我ら"とはに……それ以前に『我々』と『その上』とで規模だったりの"世界観が違い過ぎません"?」

「それは……そうですね。わたしでも彼女たちのように"宇宙を飛び回る"ことは難しいでしょうし」

「そうですよ。今更ですけど、なんです? 『人文』だったり『ゲーム』を遊んでいたりで"地に足の着いた"のいれば……打って変わってその"創作物に出てくる"ような『神器じんぎ』や『魔眼まがん』持ちの神々とは」





「女神ヒキが此処に来るまでに言っていたのでも高位それらの存在は何か『"えすえすれあ"——』と差も、はなはだしく」





『……カノンさんはにも言ってますけど』

『"星や信仰の概念ありきの神"と、"それ以前に在った神"でも仕方ない。共に「かみ」と同じ呼び名のくくりでも「各位が固有の種」のように大きな差異を有するのが実態でしょうか』

『……"アデスさんのよう"に?』

『ええ。でも、兎角に貴方ではのでありませんか?』

『?』

『"綺麗なお姉さんたちに囲まれて"。その筆頭が話の分かるで』

『……』




 言われて実際には『美女』とも『美少女』とも言える"絶妙の艶姿あですがた"に囲まれた青年。

 気付けば右にも左にも——前にも後ろにもで乳房の圧は凄く。

 心の引かれる其れ、過去で恩師曰くには『若くてつやのあって何か大きい好みら』。

 不用意に動けば畏れ多くも"その何か"に触れてしまいそうな距離では間違っても身に触れる粗相そそうのないよう——『奥義を極めること』や、恩師より賜ったの『自身にだけ効く瞬間睡眠薬』に選択の意識を残してき。





で』

『……誰か?』

だれ、誰か』

『……?』

『誰なのです? ——"青年にとっての一番ひっとう"は……?』

『……』

『……教えてくれないのですか?』





 席では少女然しょうじょぜんに餡蜜を頬張りながらも無音の口振り。





『……』

『……我が弟子——』





「——"美味しい"! "美味しい"のです……!」





 けれど、その恩師に含みがあっても怖いので話題を変えようとすれば——"取り放題"の形式で物を取りに来たレイママ。

 満面に笑む彼女が『緊張からの緩和でも食事の味が上手い上手い』と皿を手にしながら青年の方へと戻って来る。




『——れ、レイママさんとの会話に集中しますから、また後で』

『……仕方ありませんね』




「共に用意をしては心も通わせた事実で更に印象の快く……よりを言っては僭越ながら」

「?」

「私からの手に持つ運びで——川水の貴方にも」

「え」

「"食べさせる"という体験も……お願いは出来ませぬでしょうか?」




 先割れの食器で甘いパンの破片を刺しても、差し出ししても。

 川水の青年にも地母神の手作りを味わうことに専念してもらったりの、謂わば『あーん』なる親子のような体験もしたいと。

 レイママが寄って更に多く、近くもなる女体の圧。




「そ、それは……」

「……勿論、御指摘を受けた通りに自己本位ではいけず。不可ならば神妙に引き下がる次第に——」

「で、では……一口ひとくちでしたら」

「よ、良いのですか?」

「はい。それで、"貴方が喜んでくれる"なら」

「有難う御座います! では、手間を取らさず早速に此方を——はい。お口を開けて頂いて」

「は、は〜い——あ、む……」

「……どうでしょう?」

「……美味しいです。レイママさんが作ってくれた物も」

「まぁ、まぁ……!」

「……(……なんだ、"今の"——)」




 そしては、落ち着かぬ状況で先から大地の神より『母だ』と再三に言われても胸奥はむず痒く。




(……やばい。なんか、これ……"胸"が……!)




 なんだか胸の更に下までも熱を持って切なく。

 今のように"歳上の女性に甘やかされる味"を知っては、『それをもっと』と。

 "心が絞られる"ようの感覚で彼にして彼女の"寂しい本心"が『甘えたい衝動』を加速させてしまう。




「そうしてこれが……模倣であっても"母のすること"?」


「ならば、餌付えづけのような今に達成の胸で湧いた感慨は、これこそが——"母性ぼせい"か……?」




 しかし、頼みの恩師アデスも会話を打ち切って直ぐに、それも皆の手前。

 素直に行けば目を細めて歓迎してくれるだろうけど、『母親のように甘えたい』とも正直に言えば目の色を変えて暗に包み込んでくれるのだろうけど——まだ日も明るくおもてで甘えに行くのははばかられ。




(……イディアさん——は……彼女もまだ会話を楽しんでる最中だから……)




 また先述に指摘のあった通りで『美の女神』は『美の女神の範疇』で日々体型が変化し続ける女神であったから。

 何時しかの過去には毎日のように顔を合わせる青年が友の姿に違和感を抱き、その時でも相手においそれと触れることのないよう距離感を極小ミクロ単位で測っていたのに胸と胸が触れてしまったことから得た確信。

 当事者とアデスからも説明を受けて知るその"美の女神の仕様"もあって——今日は特に大きい友の側さえ落ち着き難く。




(そしたら、他に何処か————)




 ならばと、泳ぐ泳ぐ視線。

 目と身の置き所を求めて泳がせる目に入ったのが、皆と少し離れ——"物静かな鎧の姿"。

 それも銀の彼女は他の女神の多くと違い、肌の露出だって究極神秘に包まれて皆無であったから。




『……イディアさん』

『我が友』

『少し、離れて休んでいてもいいですか?』

『……分かりました。女神レイママなどは私で様子を見ておきますので何かあれば、また』

『すいません。お願いします』

『いえいえ』




「……そうしたら、ヒキさん。冷やしておいた水も此処に追加はありますから、引き続き飲食も無理のない範囲で御自由に」

「お気遣い、有難う御座います」

「自分はこれから少しまた古き神の方々に挨拶をして回ってきますので、どうかその間もごゆっくりと」

「……お気を付けて」

「はい。取って食われるようなこともない筈ですので、きっと大丈夫と思いますが……心配して頂き有難うございます」





「では」

「"——"」





 よりて一応は"主催"の立場として『参加してくれる皆の様子を伺いに行く』と建前を述べつつ場の中心に立つ花を友の美神に任せた青年。

 現在の姿が碧眼の美少女でも、花園に迷い込んでしまった『百合もどき』のような自認は今も消えずの胸に。

 故にはただでも気が引けた心模様は暗にかくまってくれることを期待して、"威光の作る影"に向かった退避の身動きが間もなくに目指した場所へと到達。




「……少しは分かる気がします。周囲で常に他者のいると『触れてしまわぬか』と落ち着きませんよね」

「! グラウさん。お見通しでしたか」

「【(^ ^)/】」




 すると、"先を読む力にも長けた光"では歩み寄ってくる者の心情を察してか。

 既に作る声音、優しく。




「……しかし、貴方が気を利かせてくれても自分からは大した持てなしの一つさえ出来ずに、申し訳ありません」




 その佇立ちょりつする女神に対しては『無限のプチプチ』や『爆破解体工事の斡旋』などを日頃の礼に出来ればと以前に出した案で美の女神と話し合った結果——『寧ろ"過度な干渉をしない"ことが最善』と、"関わる際の注意点"を知る者で軽くを詫びてから。




「いえ。我が同士では"その通り"で構わぬです。それに貴方は忌憚きたんなく言って『暗黒の女神との接点』になってくれてもいるのですから……それだけでも私で"多幸感"に——【o(^▽^)o】」

「……」

「故にもは気兼ねなく、私などの側で良ければどうぞ自由にお使いください」

「……分かりました。では、ご厚意に甘えて暫くを」

「【(^-^)ゞ】」

「恩に着ます」




 二者では、それ以上を特に。

 "互いが複雑な内面を抱えている"と知る者同士で視線は交差しても静かな場を求める利害の一致が多くを語らず。

 中身は兎も角に青年の観測範囲で肉感の印象なき鎧の熱を側に、宛らねこのよう安らぐ場を見つけられた身が大柄の威容の背後で皆に見えぬまま水を喉に流しつつ。




『……アデスさん』

『……どうしましたか? 今し方で私の側に寄ってきてくれると思いきや、恥ずかしげにも影へと隠れて……不安に思うことがありましたか?』




 裏からは通信。

 我慢しきれず念願の、甘える時。




『……また「女神かのじょたちの中に居てもいいのか」と少し、不安に思いました』

『……時には目で思う存分に楽しんでも構わないのですよ?』

『……確かに魅力的な方々だとは思いますけど——けど、これもなんですが「自分が幸せの場にいると却って不安を感じる」こともあって』

『……有事に慣れ、そして多くを知ったからでしょう。貴方でこうしている今もを想っては十分に気の休まらず』

『……』

『しかし、どうかささやかにも御安心を。"皆に対して完全"とはいかずとも同時に大神の力が苦痛を除くのに一役も二役も買っているのですから』

『……』

『其処では貴方も「私の話し相手」として"気晴らし"に付き合ってくれては間接的にも「他者への一助」となっているのもまた、少なからずが事実としてあり』




 寂しさに素直となる青年でああして麗神に囲まれる場は嬉しくも。

 時では同時に"不憫な心"、恩師の前では見透かされるようで。

 けれど、隠せぬだろう胸中を吐露する以外に"上手な甘えの方法"も思い付かず。




『それに、花を眺めるだけでも悪いことなどありませぬ』


私的してきには「今日も今日とて他の女たちに甘い言葉を掛けて回って、まったく程々にして欲しい」と思いのすれど——……とはいえ寧ろ"各種の花を慎重に扱う"ようでも、貴方で「園丁えんてい」の如くは"花園の中心に立つ素養"さえ有する』




 聞き届ける神ではその"絶えぬ心労"に寄り添おうとの物言い。

 働きを称えながらも休めるように"愉快"の方向にさえ話の進路を取らん。




『……"えんてい"?』

『今では「庭師にわし」と呼ばれるか。貴方の"狂気"などと形容されようがで「全てを拾わんとする気立て」に、私は"複数を同時に相手取る"謂わば「あるじ」としての品位を見たのです』

『……つまり、"庭の管理者"的な能力があると?』

『うむ。しおれたものを元気付けてやり、他種たしゅへ侵食の甚だしいならそれを優しくいさめて忠実ちゅうじつの手入れ欠かさぬ園丁の才』

『……なるほど?』

『また青年にとっての「はな」とはこのむ「」のこと——即ち「おんなに囲まれるあるじ」として相応しく』

『っ……い、いえ。自分はただ「少しでも皆さんに幸せでいてほしくて」、何より「自分ではどんな相手にも確かな幸せなんて約束できません」から……其処までを言われる程の者では——』





『"今に口とした本心でも素養がある"』





 数多の世界で本当の多くを見てきた神が太鼓判たいこばんを押すように『集団の中心はかくあるべし』と一つの理想を語って見せる。





『「皆を完全な幸福に導いてはやれぬ」と知った上で——と「皆にとっての最善に悩む」こと誠実』


『そしては「個としての己に限界がある」とも知るのに"大それた幸福の最大化"を目指し……故に思わず周囲でも手を貸したくなるような"謹厳実直きんげんじっちょくの在り方"が真に他者を引き寄せ、中軸に立つ"はしら"と愛で成らん』





(……一応は彼女なりに"落ち込んでるのをなぐさめてくれている"——のかな?)





『そうです。貴方を囲むのは"若い女"か、"老婆"か。何方で捉えるにせよ情景は微笑ましく——しかし、「何時いつ痴情ちじょうもつれで刺されないか」と酷く心配でもあるのです』





 そうして川水でも心安らぐ一時ひとときへ浸れては、ゆるぶ各種の情も自然と。




『それこそ、"嫉妬に燃える女神"のような』

『……』

『無事に向かって助言をするなら、"複数と同時の交際はたゆまぬ努力が必要に"』

『……はい』

『やはり、"等しく愛を注ぐそれが事実上は不可能と自認"しても「けれど」と皆の充足を諦めず、一体ずつに相手の幸福と向き合わねば』

『……"けんを持ちながら言う"のですか——でも、正直に言って「アデスさんになら構わない」と思う自分もいます』

『——我が弟子?』

『きっと大神の心で縫い止めたいような時があっても自分が傷付かないように頑張って頂いてるのでしょうし……信頼してますから』

『……』

『ですからやはり、その時も言って頂ければ自分も出来ることで協力したいと思います』

『……なんという、"親愛の表明"なのでしょうか』




 ————————————————




『——指定の座標で指定の物を即座に回収せよ』

『プロム、了解——"聖剣による回収の完了"を確認。次に向かう』




 ————————————————




『……そうしては"他の女の所へ通われる"のも七面倒しちめんどうなので——「件の湖に投棄された聖剣は此方で取り除いておいた」と、私も偽りのない真実を述べます』

『! あ、アデスさん……!』

『けれど、勘違いされるな。この後で態々わざわざ移動してやるのも煩わしく思っただけのこと。また私は"青年からの好感"という株を買い、加えて滞水の女神に恩を売っては強かに自身の利益を手にしただけのことであって——』

『……いつも有難う御座います』




 ・・・




 斯くして事情知りの女神に話し相手となって貰い、落ち着いてきた流水の心。

 ならば、『円満の食事に戻って更なる花を添えよう』と合作のミルクパンにジャムなり飲み物なりで果実の酸味などを加えると更に引き立つ乳製品のまろやかな味。

 冷えた餡蜜では抹茶まっちゃミルク氷菓ひょうかやきな粉も加えると更に絶品となり、自家製のそれらも配りつつすっかり気を取り直してくれたレイママと談笑する青年。




「——確かに"作った物を食べさせる"、"食べてもらえた瞬間"も何か言い表し難い"胸で込み上げるもの"があって……それも、他者の面倒をみる"母性"や"父性"といった『親心おやごころ』の一種なのかもしれませんね」




 試練の落とし所としては『想うことそれ自体に偽りはなく』——『同好会への加入なら認める聖剣の儀を執り行っても構わず』、『監視下での交流なら許可』とは大神の言葉。

 よりて通達に感激のレイママは色々を取り計らってくれた青年に更なる感謝を述べ、浮かべる笑顔には涙すら滲む様相。




「……はい。今日は本当に有難う御座います。青年女神の方でも私のことを思い、このような催しや体験までご用意を頂けて……地母でも内核ないかくに深く感激の至りであります」

「いえ、やはり喜んで頂けたのなら自分でも良かったです」

「そして、忘れてはならぬのが詫びの一つ。大いなる女神に注意されたよう私は自己の目的にはやって、貴方のことを安定に欠ける『口脇くちわきも黄色い少女』と軽んじていたのかもしれず——その節は本当に他でもない私が配慮に欠ける行いをしました」

「いえいえ。現に危なっかしい所があるのは事実ですので、そこまで恐縮なさらずとも」

「ですが……」

「それにきっとレイママさんも自分のそうした面を"心から心配してくれての行動"だったのでしょうから……寧ろ自分からも礼の一つを言わせてください」




「このような自分に目を掛けて頂いて、守ろうとさえしてくれては少なからず安心できました——"有難うございます"」




「は、ぅ……っ"!」

「ですので貴方さえ宜しければ今後も何より負担にならない範囲で『お話しの機会を頂ければ』と思います」

「そ、そのようなことは……勿論です! はい!」





「……何やら生意気にも小娘こむすめが表情で『好き』と、青年が誰にでもする温情へ色気付いろけづいているようですが……ええ。これぐらいは許しましょう」





 そうして遠目に聖剣を持つのが『今度こそは真に歓迎の儀を済ませよう』との大神なるけれど。





の女神によっては青年もそれなりに気がほぐれたようですし、私も寛大であるからして——」





「では、また世話の機会を頂けては、それを重ねた追々おいおいにいずれは『乳母』のような役割も……我が力と思慮に成長を示せた、その先で?」

「い、いや。母乳なにかを口にするのもおいそれとは出来ませんけど、万が一でその場合も準備や順序というものがありますので」

「であれば、『それを待てば口にしても良い』と——よ、"予約よやく"のようなことは出来るのですか!?」

「えっ——! いや、それは……」





「——"何を言っている"? 前言撤回で■■■」

「落ち着いて下さい、女神。わたしでも羨ましく思うのは分かりますが、どうか冷静に」

博愛はくあいに付け込みおって、これでは『何方どちら親役おややくか分からない』ではありませんか……!」

「魔眼の圧も収めて、どうか平和的に」

「実態としては"母性の暴走を父性で包み込む"ように、有ろう事か『あの青年に父性や母性を感じて甘える』などと——何と許し難いことを……っ!」





 瞬間には聖剣で禍々しき力もみなぎり、情景で年上への配慮が年下から。

 各方面の顔を立てることに奔走の青年が新たな出会いとの可能性にフラグの乱立を迎えつつも一先ずに地母の願いに限っては成就に向けた前進の兆しを見知り。

 ならば果たして『子のない母』と『親のない子』で"健全に関係を育む"ことは出来るのだろうかと——その他にも一癖も二癖もある同好会の神々で『青年への不可侵協定について』が同日から暫くに熱く議論を巻き起こすことと相成らん。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る