『vs古き女神たち①』
『vs古き女神たち①』
開放された無数の
「結論から言って銃器開発などの専門家は、それでも"広告宣伝の素人"」
「人でその"広く知らしめる"部分が不足していただけでもありますから、故に我々で新しい遊興の楽しさを"実践"によって……謂わば『広告塔』になってやろうということ」
加えて外周では『
人との話で段取りを終えてきた白黒の少女が待機の二者へと歩み寄り、実験都市同地での事の成り行きが説明される。
「『宣伝を望む人』と『宣伝を受けて新たに遊びを楽しむ者たち』から得られる信仰は参加する我ら二組で半分ずつ——ではなくの」
「折角に
口で説きながらでは『試し撃ち』に仕切られた空間で、準備に遅れた暗黒も適当な拳銃を持って狙う簡素な的。
片腕の構えで狙っては——容易くの一発。
神の細腕が反動も皆無に的の中心を射抜き、昇る硝煙を吐息が吹き消してから別の得物も見繕いに邪視が走る。
「また人を広く集める一般公開の前段階として、"試験的な開館に安全性を確認する"意味合いもある」
「そうした意味合いでは仮に『事故で
魔の赤い眼光は漂った先で熱心に相槌を打ってくれる黒髪の女神——青年に目を留めても、微笑み。
「計画者の人間に対しては今日の勝負を参考に『競技規則をより洗練されたものへ』と"改善"も促し」
「その安全な指導を行う『自主規制団体の
そうした恩師の目を細める笑顔の手前でも、青年は神の執り成してくれる『より周囲の人間で安全となるようにの配慮』で嬉しく。
またその『"他者への一助"と自分もなれる』ことを青き瞳の発色が心からに周囲へと喜んで見せる。
「なので銃火器を用いての対戦が——我々『未知の力』と『古き女神たち』」
「器用にも宇宙の規模から縮尺を落として指定の範囲内で暴れるようにもします」
「……
その青年から連鎖する笑み顔で場も温まっては、しかし同時に表情を緩ませるアデスの手元が次に試しで撃った小銃から
しからば音にして『ガシャガシャ』と小気味よく。
若者たちでも同様の身支度を続けさせつつ実験の意味合いが強い今回の対戦に於いての"簡易的な競技規則"も説明がされる。
「定められた大まかな規則は——『各位の身に着ける
「そうして『先に相手の参加者を皆無とした側の勝利』であり、『此処に用意された指定の銃火器や弾丸でさえ的を射抜けば後は
「つまり『権能は使っても構わない』、しかし『その作る水で的を破壊しても意味がない』……といった?」
「ええ。言及された認識に相違なく。
「また弾丸の方にも『怪我のない』ような工夫として"柔らかく弾む性質"のあって、参加者の想定される人体から見ても安心の特殊。当然、神にとっては痛くも痒くもない」
「そして
「よっては"銃火器を
「「——」」
「『のびのび』と、行きましょう」
そうして大まかな決まりを伝えては、若々しい老婆で見せる指の上下が『ちょいちょい』と
「青年、青年や」
「?」
「今回の
「え……いいんですか?」
「はい。実戦での使用を許可します」
「……ですが、目まぐるしく変わるだろう実戦の状況で"それ"が……自分に上手く出来るでしょうか?」
「完全・完璧であれとまでを言わず。何よりこれまで『重量物の降下』や『胸』などで"興味や目的を単純化されて極限まで集中が高まりを見せた時"に
「……」
「因りては貴方の思う程に実現も遠くはないでしょう」
「……あまり意識して実感はありませんが」
「熱意を持つ青年で残るは『分かり易い切り替え』が必要な問題であって……大丈夫です。きっと出来ますよ」
「後は、"真に己の願う
「故には今回で『勝つこと』や『敵の的を射抜くこと』、また単純に『遊びを楽しむこと』などが心構えの目印として捉え易いでしょうか」
「……」
「神の全力を賭した戦場であれば『水に一撃を加えられた所でなんの』ですが……けれど"同じ条件で立ち会う遊興"であれば如何に敵が『無敵の神』であろうと的さえ抜けば勝負が決められる」
「……」
「近似の世界観に属する神にも速度で一定の肉薄は可能であり——古き
「……分かりました」
「"腕試し"のように、真剣であっても安く……
「"——"」
特段に話すことを終えては装備を充実させる方向にも確と意識を傾けよう。
「うむ。そしては残りの準備、私で使える物は成るだけ持って行きましょう」
予備の弾丸を背後の弟子に『ポイポイ』と暗黒の身へ投げ込ませながら、当のアデスは銃火器で長いのを背負う幾つかで顔には遮光用の眼鏡も目立つ。
そして青年は此方も黒髪の後ろにいる美の女神に銃弾などを
「うわぁ……! 着込むと何か雰囲気が出てきて、私でもワクワクしてきました……!」
「"非日常"の感じで『ソワソワ』するのはありますね」
「はい。日常とは対照的の、正に"戦いの装い"」
そう、"遠いことなら権能で引き寄せる"など融通は利くが故に近・中距離で切り替え可能な"マークスマンライフル"。
"アサルトめちゃリーズナブルシリーズ"の『ASMR-000』や、"持ち手への負担が軽くて定評のある"『TENI-8341』、"掛かる費用の心配な初心者はこの辺りから"の『COSP-11』など、など。
"銃"なんて殆ど手にしたことのない彼女たちは癖の少ない物から優先的に手へ持って、腰や脚で
「これで人の望む通りに『負傷者の出ない派手の遊び』が確立できれば……言うこともないのですが」
取り分け頑丈な大神は兎も角に、若者たちでは念を入れて『防護服』も追加での着用。
前を締め切った
イディアでも傾斜の度合いが緩やかとなった胸板に固定する小銃は
他にも拳銃は『
「安全面への配慮自体は向こう
「よって差し当たりの懸念となるのが実戦での内容面であるのですが……
「「……」」
「相手が
「「——はい!」」
「息の合う様子でも、一先ずは宜しいでしょう」
総じて配色としては変わらず黒を基調として、老若混成の三柱。
三者三様の準備の仕上げには分身していた水で女神たちの髪も編み込み、士気高揚。
装備の一式も互いに見合って手落ちなく重ねる確認——立てたアホ毛もヨシ!
「……どうですか? 我が友」
「?」
「今日の私は疑似であっても
「……露出は少なくなった筈なのに寧ろ要所要所で覗く肌が際立って、静かに見えるそれが
「……」
「……身をベルトで締めるのも、正に雰囲気が引き締まるようで……カッコ良く」
「以前から頼もしかった振る舞いも目に見える『武装』で更に説得力は増して……言葉で例えるのは難しいのですが、言うなれば『何処までも付いて行きたい』と思わせる『頼れる上官』のような印象もあります」
「……具体的な表現でも感想を頂き、嬉しく思います」
「いえ。でも、本当に……例え聞かれなくても声が漏れ出ていたかもしれないくらい『イディアさんは色んな物が似合って凄い』と、それも普段から感じ入ってましたので……今回も、はい」
「有難う御座います。我が友。そして貴方も私にとっての素敵であります。やはり遊びであっても真剣に傾けてくれる心意気、緩み過ぎず張り詰め過ぎず——凛々しくもあって実に快い」
「……イディアさん」
「なのでまた宜しければ、これが終わった後にでも……
「……はい。イディアさんの頼みでしたら」
「そうして相変わらず仲も宜しいこと……ですが浮き足も立っていますと私で背後から撃ちますよ」
そっちのけで親密の様を見せつけられたアデスでは『自分にも気を払え』と青年の後ろから『あざとく』袖を引いてしまう。
「我が弟子、私にも確認を。せめて最後の
「……? ……可愛い(?)」
「……美女に
斯くして準備も大方が完了し、対戦の開始前に
話すその間も暗黒からは若者たちの背に『頑丈』とする
「
「因りては青年らで巧妙に時間を稼ぐことさえ願えれば、"大神による各個撃破"で勝利の結果へと導いてやりましょう」
作戦の基礎も伝え、残りでは忠告も。
「彼の女神たちに対して変に規則正しい動きを見せれば、容易に企みも看破されますからね」
「合同訓練で培ったことに加えて即興を上手く織り交ぜ、それも連続に繰り出すのがいいでしょう」
「「"——"」」
「若者たちで頑張りを示してくれる程に私の負担も軽く、我々の勝算が確かな現実味を帯びて行く」
「大神とは言え力を制限される今、そのような状態で"
「「はい!」」
「それでも敢えなく若者たちで先に脱落となれば、四割を待て」
「またけれどけれども、もし仮に奮戦も虚しく残りの
「大丈夫です」
「勝利を掴めれば信仰を集める祭事全体での競技的優位性を確認出来ましょうが……やはり、"祭事は祭事"で、"遊びは遊び"」
「例え敗北しても『何が悲劇的に終わる』という訳でもない」
各位で厚みの増やした
頭では極めて簡素な丸い的の付く『C』を横倒しとした形の装身具も着用して——いざ、行かん。
「故には気負い過ぎず」
「"古豪たる神への挑戦"を我々で楽しみに行きましょう」
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