競覇拾信祭
『開幕—競覇拾信祭—①』
『開幕—競覇拾信祭—①』
開幕となる式、当日。
現在地は海洋に浮かぶ『山』の字形がテノチアトラン——この日のために都市ごと創設された
「——す、凄い数の人でした。本当に"お祭り"が始まるんですね」
其処で観衆の騒めき、身に感じて駆けるのは。
先までは控え室と繋がる
「……緊張をしているのですか?」
「……少し」
「……以前の説明で述べたように、『負け』なら『負け』で方法はあるのです」
開幕直前の現在、
参加者として登録された青年女神が恩師と再び事の経緯を話す今の
「ですから
「……はい」
これより
アデスが『自身にとって利益あること』と説明した参加への協力要請は、『その参加さえをしてくれれば後は形式だけでも構わず、期間中の身の安全も保証する』として。
対しては『何時も世話になっている貴方のためなら』と、"川水"に"美"からも快く同意を得た回想が一度の深い頷きの合間に過ぎ去る。
「『世直し』や『救済』などと大層に考えては重圧の多く……故に
「時には触れて、考え——『成すべきを成す』、『助けるべきを助ける』と思ったことを我々で相談し合えば
「"……"」
「そうした都度の評議、その時その場での目標を明確に出来るようにも助けますから——それこそ貴方では『両手に花を持って絶景を見て回れる』ぐらいに"気楽"でも……構わないのですよ?」
蠱惑に言っては空間に鎮座する大きな物体の真下から、
日頃から"気負いがちな青年"へと見せる言動は愉快に、気安く。
そうして、"花の自慢"で浮かべる笑顔の其処へは時間を掛けて化粧も終えた残りの一輪——美の女神イディアも合流を果たし、
(……確かに、これで活躍すればアデスさんをはじめとして他にも人々や、"
一つの同じ枠組みで
その包まれる玉体で二の腕の辺りには『X』状の
仕上がりの雰囲気としては
そして何よりは彼女らの側に置かれる黒色で家屋の如き大きさが——宇宙を含む陸海空に、あんな次元やこんな世界にも対応しようの
(……特にやることもなかったし、丁度いい)
今まさに『確認の為』と内部に暗黒が乗り込んで、
その神秘と
「……確かに、『自分探し』で長めの旅行なども行きたいと思っていたので、アデスさんやイディアさんの邪魔にならない範囲で出来ること——いえ」
「自分に出来ることは本当に限られてますが……せめて大変なことにならないよう控えめに、今回もお
そうして、新たな旅の始まる予感を胸に。
青年は自身で『確たる目的がない』ことを気にしつつも、『それならそれで恩神たちのためと専心して力を尽くせるか』と状況を前向き再確認。
「……"
「はい。得てして我が友にとっての幸福は我々にとっても喜ばしいことですので。どうか気負いすぎず、"共に"——臨みましょう」
「……はい!」
アデスとイディアという信頼の置ける指導者らの前で意気込み、頷きは力強く——けれどの直後は返事で凛々しかった青年、跳ねる青黒の長髪。
車庫を出て直ぐの待ち合いの場から己の方へ"掛けられる声"に驚き、恐怖に敏感の心は反射的にも頼れる友の側へと寄る。
「——"失礼します"」
(——"!")
「……いらっしゃいますか? "暗黒の女神"」
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