03 ドッペルゲンガーのどー君



 ドッペルゲンガーのどー君。

 僕は、僕そっくりの顔をしたそいつにそう名前を付ける事にした。


 噂通り。

 本当にどー君は、本当に僕と全く同じ見た目をしている。


 きっとどー君が町の中を歩いたら、僕と見間違える人が続出すると思う。


「三日経ったら、君は自由だよ」


 どー君は喋れない。


 いつもにこにこ笑ってるだけだから、僕が喋った事も理解できているかどうかあやしい。


 でも、それでもいいや。


 僕の代わりになってくれるなら。


 僕はどー君と入れ替わる事にした。


「あんたなんかいなくなっちゃえばいいのにっ!」


 どー君が現れたから、お母さんに叩かれなくなった。

 お母さんはずっとにこにこ笑ってるだけのどー君を、不気味な物を見る様な目を向けながら、何回も叩いた。


 お母さんはいつもより怒ってたけど、家の中に同じ顔の人間がいる事には気が付いてないみだいだ。


 何にも気づいてないみたいなので、僕は隠れている箪笥の中で安心した。


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