第5話 何も、年末年始にかかわらず

同じように、世間的には、長期休暇となることがありますよね。

ゴールデンウィークと、お盆休みですね。最近では、レスパイト入院を利用されるご家族が増え、休暇期間がちょうど収まる入院は、かなりの高倍率になってしまいました。

来年のゴールデンウィークの入院を予約して退院される等というようなことがまかり通る結果になりつつあります。

他のイベントでも同じです。

年越し入院の退院やお盆休み入院の退院も、1年前から予約するという、人気旅館じゃあるまいしと、筆者等は思うのですが。

お休みの時に、家族が遊びに行きたいために入院させるというのは、本末転倒になりはしないのか。

せっかくの制度が、厳しい規制の対象になりはしないかが心配です。

政府厚労省は、医療費縮小に躍起になっていますので、レスパイトの日数規制ぐらいやりそうな気がします。

各医療機関は、患者の理由には、目をつむっているようですが。

レスパイト入院は、特定難病患者のれっきとした医療行為として位置づけられていますので、レスパイトも特定難病医療費の対象となりますので、患者負担が、食費だけという、利用し易いようになっていますが、下手に規制されると、利用者が激減しかねません。

取りはぐれのない確実な収入源をみすみす手離すのもいかがなものでしょうか。

まぁたしかに、要介護・要介助の方々を預ける保険制度としては、高齢者の介護保険にも認められている、ショートステイというものもありますので、一概に、レスパイト入院を攻撃するとも思えませんが。

特定難病は、非常に長期の闘病になる疾患が多く、死亡するまで、その症状に苦しみ抜かねばならない疾患がほとんどです。

しかも、癌等と違って、発症するとすぐに死亡をイメージする病気ではないために、比較的安易に、本人告知する医師が多いのも、問題だと筆者は考えております。

癌・脳卒中・心臓疾患等の、比較的早期に、死亡する可能性の高い病気は、人々にも恐怖を与えておりますので、かなりの早期の患者は本人告知する医師が増えているようですが。

特定難病は、その過酷さのわりに、かなり軽視されていると感じざるを得ません。

先頃、NHKが特集番組で、特定難病患者が、スイスまで行って安楽死をした事実に密着した内容を放映して、かなりの衝撃的内容に、驚いた方々がおられたようですが。

少し前から問題になりはじめている、安楽死を実際に選ぶ患者が増えているという衝撃的事実。

多系統萎縮症という、特定難病の患者さん。

日本では、みずから命を絶つことを良しとしない考え方が多いでしょう。

筆者も、安易に命を絶つことには、絶対的に反対です。

自殺する勇気と体力があるなら、やり直すことが可能な国ですよ日本は。

看護師さんや介護ヘルパーさんの中には、私達だって、明日は・・・とか、すぐに言う方々が多いですが。

それは、健常者の上から目線でしかないことに気がついておられないと感じています。

健常者が、明日死ぬ確率ってどれくらいあるんですか。

その日、仕事が終わって帰宅する途中で、車に轢かれて死亡する確率ってどれくらいあるんでしょうか。

特定難病患者が、寝たきりになる確率は、100%です。

寝返りなんかもってのほか。

自分では指の1本すら動かせない。

胃に穴を空けて、直接流動食を流し込まれ、定期的に紙オムツを交換してもらって、視界に見えるのは天井だけですが、頭は、はっきりしているのです。

自分の病気のことは、はっきり理解していて、考えることもできているのです。

しかし、自分の意思・意見を伝える方法はなくなります。

そうなることが、確実なんです。

人としての尊厳もへったくれもなくなってしまいます。

そんな方々に、私達だって明日はどうなるかわからない等という言葉が、何の慰めにもならないことが、わかっていないのでしょう。

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