第3話 病院のお正月

こうして病院もお正月を迎えるわけですが、入院中だからといって、病気の患者だけではありません。

骨折等の患者さんには、退屈な時間になります。

担当の看護師さんや介助ヘルパーさんや救急科のお医者さんぐらいしか、出勤されませんので、リハビリ療法士さんはお休みとなります。

骨折部位やケガの部位以外は健康で、元気ですから。

できることなら、外出や外泊の許可をとって、自宅に一時帰宅などという方法が良いと思います。

病院内では、飾り付け以外に、正月らしさはありません。

食事のコントロールとかがないのであれば、病院内にとどまるべきではありません。

担当の看護師さんと介助ヘルパーさんの人数も、激減しておりますので、ベッドから離れることができるならば、病院内にとどまるのは、とうなんでしょうか。

筆者の場合は、ドレンホースとドレンポンプが着きっぱなしで、車イスですら自由度が低かったのです。

看護師さんは、痛みを気にかけてくれますが。

前述のように、難病、球脊髄性筋萎縮症によるシビレがひどく、ドレン側半身の感覚が麻痺してしまっているものですから、痛みがわからないということに。

ただ、このような強いシビレも良くない症状ではありますので、シビレを緩和させようと頑張ってくださいますが。

神経難病に詳しい病院なら、そんな無駄なことはやりません。

原因不明で、治療方法がまだ無い難病では、シビレすら原因がわからないので、対処すらできないのです。

こればかりは、患者自身が受け止めて頑張るしか仕方ないことなんです。

当たり前のことですが、病気の苦しさやケガの痛みは、元日だからといって、お休みしては、くれません。

だからといって、正月らしさがまったくないのでは、患者の気分は、沈むばかりになってしまいます。

やはり、最後は病は気からという精神論になってしまいます。

癌患者さんには、緩和ケアという施設がありますが、難病患者にはありません。

だからこそ、スイスまで行っての安楽死という選択をする患者が増えているのです。

朝食のお盆に、門松の絵が書かれたカードに、手書きの明けましておめでとうございますという文字だけで、なぐさめられているのです。

元日は、検査もありませんので、基本的に、病室から出る必要は、ありません。

もちろん、元日早々、病院にお見舞いに来るのは、家族ぐらいのものです。

俗に、寝正月という言葉がありますが、入院中に元日を迎えた患者は、文字通りの寝正月しかありません。

幸か不幸か、テレビ番組は、バラエティー番組ばかりになりますので、絶対に見たい番組意外はデイルームで、紙コップコーヒーを楽しむ時間になりますが。

最近は、大きな病院では、有名なカフェチェーンが、出店していたり、コンビニエンスストアが出店しておりますので、不便さは、少ないのかもしれません。

筆者も、朝コンビニで新聞を購入して、カフェで読むというパターンに変わりました。

便利だからといって、入り浸るには、カフェでは、相当な金額が必要になります。

コンビニエンスストアでは、10分も滞在することは難しいでしょう。

コンビニで新聞を購入するだけなら数分ですし、朝カフェで、新聞を広げれば、少しぐらいなら長時間滞在しても、何も言われないばかりか、行かない日があれば、かえって心配されるようになります。

元々、病気で入院するほど、具合の悪い人間です。

しかも、正月まで帰宅できないほど、具合の悪い患者なのですから、体調の悪い日ぐらいあるのですが。

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