第7話 各々

ボップが熱いテ・ナチューをゆっくりやけどせずに飲んでいると、ドアからノックが聴こえた。

ボップが振り向くと、テオドール、ウヨア、そして、テオドールの付き人が部屋に集まって来た。

テオドールたちは、ボップの近くまで、来た。

ボップはテオドールとウヨアの顔を見ると、なにか不安のある顔をしていた。

少し間が空いた。

すると、ボップが話を切り出した。

「 ウヨアさん、テオドールさん、どうかしたんですか? もしかして! 催しの許可が下りたんでしょうか? 」

ボップは疑問に思った。

テオドールとウヨアは顔を見合わせて覚悟を決めてその疑問に答えた。


「 ボップ、実はな、王様に報告したところ、お前のことが信用できないらしい。だから催しには、参加しないということになった。 ただな... 」

と、話を続けようとしたときに、次の瞬間ボップは急に会話に乱入してきた。

「 本当に!? だめだったのですか? じゃあどうすれば? でもなんで? 別にいいじょないですか!はっ! なるほど、じゃあ、王様のところに、話してくる! 」


「 ボップ待つんだ! 落ち着け!話しを最後まで聞きなさい! 」


「 これが落ち着ついていられないです! ぼくは王様のところへいきます! 」

ボップはどうしてもピクシーを誘いたいので、自力で王様にあって、話す。と言い出し、ドアのほうへ向かった。

そこに、ウヨアがボップを説得しに、テオドールの会話に参加し、ボップを停めようとした。


「 ボップ! 待て! 話しをきけ! 」

と、ウヨアはボップの前に切り込んで入ってきた。


「 ウヨアさん! どいてください 話しってなんですか!? 」


「 ボップ! たしかに王様は参加はさせない! そう言ったが、お前のことを信用ができないから参加させない!という結論になった。けど、王様はボップ、お前を王様の元へ連れてこい!と命令がでた! 」

ウヨアは王様に言われたことをボップに話し力説した。


「 だから! な...に? 今なんて? 」


「 だから!お前を王様の部屋に連れてこいと王様から命令が出たんだ! 」


「 え?? 連れてこいこい? 」

ボップはウヨアと近くにいたテオドールの顔を見た。


テオドールはボップに話した。

「 そうじゃ! ボップを連れてこい!と言われておる! 王様が居る間、アンビデクタスの間に。 王様はお前と一度話してみたいと申しておった 」


「 なんだ... そうか、よかった 」


これに、テオドールが応えた。

「 よかったじゃないわい! まったく! 話を最後まで聴かんか! ばかもの! 大体お前は... 」

と、話も聴かず、感情任せに動こうとしたボップにテオドールの説教が始まった。

ウヨアはそのボップをみて、やれやれ。と首を振って呆れていた。

テオドールは説教になると、他の人より長い。


ー 30分後 ー


やっと、テオドールの説教が終わった。凄く長かったようだ。もう30分ぐらい怒られてた。


ボップは長いテオドール説教に悄気しょげていた。すこし気を落としていた。


「 そんなに... 怒らなくても... 」

と、ボップはテオドールに小言のように言った。

すると、それを聞いたテオドールはボップに言った。

「 怒っておらんわ! ちょっと強めの注意じゃあ!! 」

と、言った。


その光景を見ていたウヨアは、思った。

(( まあ、たしかに、父上が怒ったらもっと怖い。今のは、少し強めの注意みたいなものだ。それに、説教してる時の父上の顔... なぜか少しだけ、優しかった。をみるような目をしていた。まったく...この人は... ボップも、大したことやつだよ ) )


ウヨアは二人をみて、そう思った。


気付くと、ウヨアの目の前にボップがいた。

「 ウヨアさん、すみませんでした! 」


「 いや、良いんだ、これから気を付けろ。あと... いや何でもない。 」


ウヨアはなにか言いそうになったが自分で止めた。


「 ん? どうしたのですか? 」


「 いや、いいんだ。それより早く王様の所へ行くぞ。もうお待ちかねだ 」


「 はーい。そのまえにトイレ、トイレ 」


ボップは、素直にウヨアのいう事に返事をした。

そして、トイレ、トイレ!とトイレに向かい、トイレに入った。


まったく。とテオドールは呆れていた。


数分後、ボップがトイレから出てきて、テオドール、ウヨア、テオドールの付き人二人、そしてボップは部屋を出て、王様の待つアンビデクタスの間に向かい始めた。

ボップ、テオドールやウヨアはいい結果になるよう、考えていた。

そう、いい方向にいってくれれば、正月の催しに、ピクシーを誘える。イースター・バニーの催しに行き、楽しみたい。そんな各々の想いで、歩いていた。

本当にうまくいけばいいのに。

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