第6話 ポタージュ・リエ
ボップは城内にある部屋の大きなベッドに座り、テオドールたちを待っていた。
「 まだかな~? ボフフフフフフフフッ…… 楽しみだな~? 」
ボップは良いことが起きて、嬉しくてつい浮かれ、ボフフッ! と笑っていた。
一方、国王のいる王座の間・アンビデクタスの間では、テオドール、ウヨアたちが、ボップが話をした正月の催し、そして、ボップの想いを王様に伝え、話していた。
「 なるほどな、それで? 私にどうしろと? 私はそのイースター・バニーの子は信用できない。私は王様である前に、この森に住むピクシーたち住人たちのことや国の事を考えねばならない。そう簡単に易々と信用し行動を取ることは出来ない! わかるな? 」
「 はい。十分に存じています。では、どうすれば、よろしいでしょうか? 」
テオドールは王様に質問した。
「 アンビデクタス王よ、一度そのイースター・バニーのボップに会って見てはくれないですか? そうすれば、きっと宜しいお考えになるかと 」
「 なに? 私に、そのイースター・バニーに会えだと? それに、イースターと私たちの関係は知っておるな? だが、なぜ、テオはそのイースター・バニーの肩を持つのだ? 」
「 それは、ボップが純粋な眼しているからです。 あの子には、何か特別なような気がするのです 」
「 ウヨア! お前はどうじゃ? そのイースター・バニーについてどう思っておるのだ? テオドールと一緒の考えか? 」
アンビデクタス王は、テオドールに続き、今度はウヨアの気持ちを聞くべく、ウヨアに質問した。
「 私は、あの者なら信用は出来るかと…… たしかに、どこか他のイースター・バニーとは違う心をお持ちです。テオドール様とご一緒の考えです 」
「 うむ、なるほどな 」
王様はそう言うと、少し考えはじめた。
「 よし! わかった! そのイースター・バニーをここに、連れてくるんだ。その者の話を聞きたい 」
テオドールとウヨアは二人一斉に答えた。
「 はっ! 承知しました! ボップをこのアンビデクタスの間に連れてきます 」
二人は、頭を下げ、応えた。
テオドールとウヨアはその後、アンビデクタスの間を出て、ボップのいる部屋に向かった。
ボップは左手の方向にある。窓をぼーっと見つめていた。
すると、ドアをコンコンとノックをする音を聴こえた。
ボップは、ノックの音に気付き、ボップは布団から出て、ドアまで歩き、そのドアを開けた。
居たのは、先ほどテオドールと一緒にいた女性の付き人だった。付き人はトレーの上に飲み物をもって来てくれたみたいだ。
「 あの…… 温かいポタージュ•リエをいかがですか? 外は寒かったですよね? どうぞ……」
「 わぁ! ありがとう! ポタージュ好きなんだ! 」
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付き人はどうやら、ボップのことが気になり持ってきてくれたようだ。
ポタージュ•リエとはとろみのある温かいスープのことです。ボップは小さいころから、おばあちゃんが作るポタージュが好きだった。この寒い時期にはおすすめで比較的簡単に作れるスープだ。そのポタージュをボップにと、付き人のエノワちゃんは持ってきてくれた。
ボップはニコっと、優しく微笑みお礼を言った。
そして、エノワは、ボップに話した。
「 あ、あの…… わ、わたしは…… その催しに…… 行きたい…… です。わたしは、イ、イースター・バニーさんのことは嫌いじゃないです 」
エノワは、ボップに自分の気持ちを伝えた。
ボップはそのことに対して、こう話した。
「 うん! 絶対来てよ! 誘うから! 」
と、エノワに笑顔で応えた。
エノワは凄く嬉しかったのか、ニコニコしながら、ポタージュをボップに渡し、ふふんふふんっと、鼻歌を歌いながら、スキップをして、部屋から出て、離れていった。
ボップは、一人になりベッドに戻り、ポタージュをゆっくり飲んだ。
すると、なぜかボップは涙を流した。
ポタージュ•リエを飲んで暖かい気持ちになり、おばあちゃんを思い出し、涙が出たのだろう。
ボップはここまで、辛くても、諦めずにピクシーの森にたどり着いた。そのこともあり、なぜか涙がでてしまった。
ボップは、涙を拭って、ポタージュを飲んで、テオドールたちを待った。
そこに、またコンコンッとノックの音が聴こえ、
ガチャッとドアが開き、テオドールとウヨアの二人が部屋に入ってきた。
ボップはドアが開くとともに、ドアのほうに振り向いた。
テオドールたちは、ボップの前に来て、なにか言いたそうな顔をしていた。おそらく、催しの件の話だろう。
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