第5話 お誘いと想い


すごく高級感溢れる、白いマット、その上にシルバーで出来た布団。少し大きなベッド。そのベッドの周りと見上げると、金色の装飾フレーム。金色と銀色のチェック柄のようなフレームがつらなっている。

その大きなベッドにボップは寝ていた。

少し時間が立ち、ボップは目覚めた。


ボップは頭上にあるシャンデリアを眺めていた。

シャンデリアは通常のものより小さめのシャンデリアだった。ブーケ型で小型のクリスタルガラスシャンデリアのようだ。


「 すごく......キレイだな.....素敵だ 」

ボップはシャンデリアを見て、目をキラキラさせていた。


ボップは、ある事に気づいた。ここはどこなんだろ? すごく、大きなベッドやキレイなシャンデリアに部屋。

見たことない景色の部屋にボップはいた。 

シャンデリアに見とれていたせいか、気づかなかった。

ボップは目を開けると、むくっと体を起こして、辺りを見渡した。

真っ白い壁には絵画がある。王冠を被った気高い男性の絵。

ベッドの横には、机がある。

ボップが見渡してると、扉から男性が一人入ってきた。その男は、先ほど広場にいたウヨア=アシルピクシー星二大天騎士団王族副官子爵様だった。

ボップは広場にいた妖精としかわかってないが、この人はこのピクシーの国でも有名な子爵様の一人。公爵元帥の息子にあたる。王族の血族でもあり、有望な存在だが、ウヨア本人は、少しドジなところもある。本来、元帥様を父上と呼んではいけないが、ウヨアは時々、元帥様を父上と呼んでしまう癖がある。だが、本当に、騎士団の中での槍捌き、性格、知能、90パーセントは完璧と言われるが、その癖と少しのドジがあるせいで、すべて完璧とは言われない。だがすごく、いい人だそうだ。もちろん父親のテオドール元帥からも、位置目おかれる存在。ウヨアはテオドールによく怒られる。

そんなウヨアが近いてきた。すると、ウヨアは目の前の机の椅子に座ろうとするが、椅子は無いため、ウヨアはそのまま、しりもちをついて、転んでしまった。

どうやら椅子が無いことに気づかなかったようだ。

ウヨアはお尻を抱え、あいたたた......と言いつつ、立ち上がり、恥ずかしそうに、ゴホンっと咳払いをした。

ボップはその光景を目の当たりにした時、びっくりしたのと、笑いが込み上げてきた。

ボップは途中からボッッフフッフフフフッと笑った。

「 な! 失礼だぞ! お前! そもそもお前が注意をしないから! 」


「 ボッフフフフッフフ!! いや、ごめんなさい、まさか座ろうと思ってたなんて知らなかったから 」


「 もういい、笑うな!! 恥ずかしい目に合った! 話を聞け! 」


ウヨアはこの出来事を忘れたいのか早く切り上げようとして、違う話を持ち出した。


「 ふう...... お前、イースター・バニーの子だな? なぜここにいる? 何しにきたの? それとも宣戦布告の通達員か? 乗るぞ? お前にも場合によっては容赦しないぞ? どうだ? 早く話せ 」


ウヨアはボップが戦争の宣戦布告を言いにきた子だと、言い煽った。


「 ち、違うよ! 僕は、今度の正月にあるもちつきの催しに誘いに来ただけだよ! 他の人たちも呼ぶから、ピクシーの人たちも誘いたいと思って来ただけだよ!」


ボップは自分が宣戦布告じゃないと、代弁した。


「 は? 何? もちつきの催しだと?

ウハハハハハハハハッ!!!! 何いってんだお前? そんなのに、俺らが行くと思うか? 第一、お前たちイースター・バニーも俺らの関係は知ってるはずだぞ! 」


ウヨアはボップの話を嘘だと、笑い飛ばした。


「 本当なんです! 信じてください! 」


「 うるさい! イースター・バニーなんぞ、信じられるかっ!! 私を愚弄し、そして、大嘘をつきよって! さすがイースター・バニーだな! 大罪だ! 覚悟しろ! 」


ウヨアはボップに激怒した。

すると、ウヨアが激怒していると、ボップたちのいる部屋の扉がまた、開いた。

そこに現れたのは、二人の付き人と、ウヨアの父親のテオドール=アシルピクシー国国防統括国儀最高権力公爵元帥様が入ってきた。


「 テオドール公爵元帥様... なぜこちらに?

どうかなさいましたか? 」


ウヨアはテオドールに敬礼後、丁寧な言葉でテオドールに聞いた。


すると、テオドールはウヨアに近づき、持っていた杖で、パァンッと強く殴った。ウヨアは殴り飛ばされてしまった。

テオドールは、ウヨアに向かい合い話した。

「 このバカものが! うるさいのはお前じゃあ! 何を言われたか知らんが、この程度愚弄された程度で冷静さを保てんとは、なんと恥知らず! こんなことで子爵がつとまると思うなよ! このバカが! 」


「 ち、父上! そんなあ.... 」


「 テオドール、いいか、よく聞け、お前のそういうところが我らピクシー国王族の恥だ。

治せい! わしは悲しいぞ、お前は王族であるまえに、似てなくても、わしの息子だ! お前はまだ若いからまだこれから上に上がれる。 期待しておるのだぞ! こんなところで自我を崩壊させとる場合じゃなかろう!? わかったら返事をせえぇい! 」


「 はい...父上 」


テオドールに怒られ、ウヨアは満身創痍な状態になってしまった。よほどテオドールが怖いのだろう。

ウヨアはそして、涙が出ていた。 怒られたからとかではないだろう。父親の言葉、そして、また自分の悪いところがでてしまい、冷静を保てなかった...そんな悔しい気持ちが舞い上がって、涙がでたのだろう。ウヨアは立ち上がり、テオドールに、敬礼し、拳を胸に止め、大声で叫んだ。


「 ッ! テオドール=アシルピクシー国国防統括国儀最高権力公爵元帥様! この私! 先ほど言われた言葉を胸に叩きこめ、自分を成長させるべく厳しく、熱烈峻厳ねつれつしゅんげんいたします!!!! 」


「 よし! それでこそ、わしの子じゃ 」


どうやら、ウヨアは今の自分を変えるために一念発起するようだ。


テオドールはボップのほうに顔を向けた。


「 イースター・バニーの子だな? 先ほど、たらっと聴こえたが、正月の催しについて、じゃったな? 」


「 あ、はい! 催しにいろんな種族や友達を誘うことに、なったので、ぼくはピクシーのみなさんを誘いにきました! もちろん、関係のことは知ってます。ですが、誘いたいんです! 」


「 なるほど... 君名前は? 」


「 ボップです! 」


「 ボップか、聞きたいことがいくつかある。なぜ、あの広場にいた? どこかに向かってたのか? 」


「 はい、とりあえず中心にあるフェアリー・ツリーを目指してました、登って、それらしい人に話をしようかと思ってて。広場には、終焉の怪物を真っ直ぐ通ってきたらあの広場につきました。フェアリー・ツリーにはいけなかったけど..... 」


ボップが終焉の怪物のことを話すと、付き人、テオドール、ウヨアは一斉にビクッ! とビックリした。

テオドールはボップに聞き返した。

「 なんだって!? あの谷を越えて来たのか? はっ! それで、ケガしてたのだな? 」


「 はい、越えてきました。もうひとつの道は催しに間に合わないので。ケガは多分、その時についたのかな? 」


「 なんと.... あの終焉の怪物をこんな子供一人で越えてくるなんて、なんて無茶苦茶な..... 下手したら、ケガだけじゃすまないのだぞ? そこまでしてまで、我らを正月の催しに誘いにきたと? そうだな? 」


テオドールは頭を抱え、心配しつつも、少し怒っていた。というよりも、呆れていた。


「 はい、どうしても、誘いたかったので 」


「 そうか......なるほどな。 最後に聞く、なぜ、お互い仲が悪いとしってて、誘いにきた? 」


テオドールは真剣な眼差しで、ボップの顔を見て質問をした。

ウヨアたちもその話を真剣に聴いていた。


「 それは、仲良くなりたいから、です 」


ボップの呆気ない一言に周りは騒然した。

これには、ウヨアが応えた。相当ビックリしている。


「 は??? なんだって? 今、何て? お前ふざけてるのか? 」


ボップは応えた。

「 ふざけてないですよ。それだけでは、ダメですか? 僕はただ、みんなと仲良くなりたいだけなんです。 ピクシーさんもと、他の人たちとも、みんなと仲良くしたいだけなのに! 戦争だとか、イースター・バニーが、とかピクシーがとか、そんなの嫌です。もっと単純でいいんじゃないですか? もっと仲良くしたい!って 」


ボップの応えに、テオドールは笑った。

「 テオハハハハハハハハハッ!! なんと面白い子だ! 」


テオドールは暫く笑うと、テオドールはボップ、ウヨアに提案した。


「 いいだろう! その今度の正月の催し、わしたちも、このウヨアも参加しようじゃないか! 」


「 ええぇ~! 父上! なんで! 私まで? 」


「 面白いじゃないか! 」


ウヨアや他の人たちほテオドールの提案にまた、ビックリした。

ボップは笑顔でテオドールに感謝をした。


「 ありがとうございます! 来てくれるのですね! やった! 」


「 ああ、この話は国王にもしてくる。少し待っていろ、シャンパーカーンまで馬車で送っててやろう。 ウヨア! 皆のものいくぞ! 」


ウヨアたちは一斉にはい! と敬礼し、テオドールと部屋を出た。


廊下では、国王のところへ向かう途中、ウヨアがテオドールとこんな話をしていた。

「 テオドール元帥様、なぜあいつを受け入れたのですか? なにか狙いでも? もしかしてなにかご冗談でも? 」


テオドールは応えた。

「 冗談でもないよ、狙いもないさ。 いやなあに、あのイースター・バニーの言葉を聞いたら、昔を思い出してな。まあ、あの子の言葉には表裏のない表現。まったく。あの子にはなにかやり遂げてくれる力がありそうだ、そう何かをな 」


テオドールはそうウヨアに応えた。


テオドールは昔の仲良くしていた頃をしっているので、それをボップの言葉で思いだしたようだ。

なにか、ボップには心をつき動かされる。と。

そんな気がした。

テオドールたちは国王の元へ急いだ。


ボップはこれでやっと、催しも楽しくなるだろうな。仲もきっと...

ボップは心からそう想った。

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