第4話 決闘
場所は変わり決闘場。この場に居るのは学園長室に居た4人ともう1人。風紀委員長の
「それでは皇 理玖VS上杉 登の決闘を始めます」
「風紀委員会はこの決闘を正式な課外活動と認める」
この口上は決闘罪という罪にならないようにするために必ず必要らしい。その説明を受けた時はかの
「両者構えて 始めっ!」
合図と共に互いに銃を抜き1発発砲。その弾は互いにぶつかると凄まじい音を奏でる。
「
銃身の紋様の1つの線が光る。慈悲から美へと掛かる橋。その光がセフィロトから放たれ音響をかき消す。
「《雷鳴よ》」
一節詠唱の魔術が完成し球体が彼を包む。黒魔エレキフィールドか。多分アレだな。
「《絶火》」
魔星銃サードの星炎石を触媒としてその炎は放たれる。
「《光の多重障壁よ》」
短く唱えられたその魔術は虹色に光る小さな障壁を幾十にも重ねて展開される。それに絶火が当たるも無力化される。なら上げるか。二丁の銃を仕舞い聖魔剣アルティメアを構える。
「調整開始」
微かに呟き今までとは比べものにならない位に加速する。階位8の全力で翻弄する。威嚇目的で放たれたであろう弾丸を全て速度に任せて切断する。銃口の位置と発砲音で大体の弾道を予測しその場所に刃を置く。
「チッ!ちょろまかと。《七条の流星よ・光陰の鏃もって・刺し穿て》」
3節で唱えられた魔術により光と影の矢それぞれ7本計14本が放たれる。その速度はまるで流れ星のようだが一瞬だけ動きを止め左手を突き出し唱える。
「《14の無垢なる弾丸》」
直ぐに魔法陣が展開され弾丸が鏃向け放たれぶつかり相殺する。その間に詰め寄り背後に出現。首筋に剣先を当てる
「チェック」
「…降参だ」
後悔と共に聞こえるその声を拾ったのをイリス会長が告げる。
「勝者 皇 理玖」
「少し良いか?皇 理玖」
「何でしょうか?黒峰風紀委員長」
無限収納に全ての武装を仕舞うと話し掛けてきた。
「あの異様な加速は異能か?」
「いえ自前の加速ですよ。序盤は普通の
まあやろうと思えばあの2倍は出るんだけど。あくまで自己加速ではあれが限界だ。
「そうか。ならいいのだが」
「それにしては随分早い気がしたが?上杉は如何だ?」
余計なパスを出さんでくんさい。ことステータス面においては語れない秘密が多すぎるのだから。
「本人の申告通り序盤は同じくらいの速度で戦えましたがあの加速は階位10はあるかと」
バレてら。そこらの調整は上手くないからいつかはバレるとは思ったがもうバレるとは。というか上杉さんどんな環境で成長したら階位10以上の相手と敵対するんですか?というか
「図々しいとは思うが皇」
何かを思いついたように上杉がこちらに頭を下げる。
「俺を弟子にしてくれ」
「はあ?弟子?」
何故に弟子?というか何故、僕に?
「親父をぶっ倒すのに力が欲しいんだ」
ほう。ただ上杉それだと悪魔に魂売っているみたいだぞ。
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