第13ー14話終わりに月夜の思う事

 ここまで書いてしまってから、わたしはまだ長いとは言えない人生を多少振り返ってみて、こんな風に書き綴って来たのですが、どれだけ皆さんに伝わったかは皆さんにしかわかりませんし、わたしは実質的状況よりも、多くの心理小説が用いるやり方みたいに、自分の心情を中心に組み立てながら、事柄もある程度構成の中できちんと存在する仕方を試みたつもりです。


 そして、随分読みにくいなとも思った方、またいつものわたしの読者の方なんかも、温かく見守ってまた新しい方法論でしかも文章も変な方向に拘りを見せているんだなと、そう言う風な肯定的な側面での受け取り方をして頂ければ、この上もない感謝をするしかないくらい嬉しい気持ちです。


 最後に当たって、今聴いている音楽を明かしてしまいましょう。

 それは、ドアーズの「音楽が終わったら」です。


 この長い曲は、アルバムの末尾を飾ってもいて、スイッチで消灯なんて現代的にしたら情緒がないかもしれませんが、そんな事をジム・モリソンが歌いますし、ここでこれをBGMに了を迎えるのは相応しいと思うのです。


 どうでしょうか、皆さんもドアーズを聴いてみたりしてはいかが?


 別にブラームスとかを聴きながら読んでくれたって構いませんし、無音で本に入り込んでくれてもわたしは喜びを感じますから、寝転んでても椅子に座るでも、気楽な姿勢で読む事を推奨したいです。


 今晩は満月です。

 秋は満月にいつもお祝いをしてくれますが、そんな日にお互いの姿を、ぼんやりとそして鮮明に目に焼き付かせながら、死が二人を分かつまでいつまでも恰も永遠を過ごすように、わたし達二人の時を過ごしていきたく思う、秋の夜長なのです。


(了)



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満月の夜は彼女を眺めて 藤宮はな @hana-fujimiya

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