第12話
第12ー1話月夜、進路を考える
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二年生も二学期になって来ると、進学校でもない所でも、そろそろ進路の事を考えなくちゃいけないのですが、わたしは大学のカリキュラムとか、鬼の様な就職活動との並行した学業のあり方にぐったりしてしまい、とてもわたしの体ではその生活を送れそうにないし、朝から晩までみっちり授業があるだけではなく、それが毎日続くのが、今の学校でも辛いし時々倒れたりするのに、絶対無理だと思う上に、そうやって帰って来てからレポートや課題をやり切る体力はないと断言出来るくらいです。
そうする内に、秋はもっとわたしをサポート出来るようにと張り切って、ますます勉強を頑張って志望校も難関大学にするみたいですし、野分ちゃんもある程度絞っているようです。
砂糖さんと鬨子さんは、一緒に進学出来るか難しいかもしれないとの事で、目標をとりあえず決めて二人でわからない所を先生に質問したりしながら、必死に勉強しているとか。
わたしはこう言う時に、つくづく自分は勉強するのは嫌いではないのに、体が普通の生活に耐えられないのが恨めしいと感じてしまいます。
だから、進路指導の時に出した調査票には、絶望的な展望を書いたりして怒られるかと思いましたが、いざ自分の番が回って来た時に桐先生にこんな目から鱗の話を聞けました。
「あー、二夜。そんなに体が心配で、自分のペースでやりたいなら、通信制の学部のある大学なんかはどうだ。それなら、スクーリングも少ないし、自主学習のやり方がわかっていて、自分のペース配分を把握出来てやれるなら、充分どうやって単位を取っていけばいいかもわかると思うぞ。勉強はしたいんだろう、それなら余裕があるなら、何かに繋がる方法を考えてみるのもいいだろう」
これによって、わたしはじゃあ通信制に進学しようかなと考えて、パンフレットなんかも貰ってみると、キャンパスは割と近くにあるし、近所の駅の所からバスも出ているとの事だし、これはまずこの大学に注目してみてもいいなと思いました。
どっち道、秋と同じ所には学力的にも学部的にも違うだろうし、別に誰かとつるんで大学に行く気もないし、そう言うやり方で選択肢を狭めるのはどうも嫌だし、何よりわたしは最初に言ったように皆と同じ生活は送れない体なのです。
今から思えばこれは良い選択だったと思うのです。
そしてここで今更言うのも何ですが、この私小説の様な物を書くに当たって、時々回想してる体は出していますが、出来るだけその場で起きた事をリアルタイムに感じた形式で書いているのは、わたし自身が書き始めて色々思い出していて、その時代にトリップしたように記憶が呼び覚まされたり、周りの人に過去の話を聞くとそんな感じで反応が返って来て、当時の事がちょっとしか前じゃない感覚になっていく、そんなノスタルジーに浸っている為に、回想記の形を強く出し過ぎると、何だか不安な気持ちが強くなってしまって、これからの事が大変に思うようになるだろうから、こう言う書き方にしているのですが、こんな文章を今挿入している時点で、その形はまたも崩れてはいますね。
わたしは学校では真面目に授業を受けていたし、秋もかなりきちんとやっていたので、学校の成績は問題なかったので、わたしはとりあえず形式的にどこか架空の設定の大学で、受験勉強の様な事もして、入試がない通う予定の通信制でも大学に通った時に苦しまないでいられる為に、少しでも高校の勉強は出来ている状態にしておこうとしていましたし、秋はそれこそかなり必死に勉強に取り組んでいたので、遊ぶ時間はそんなになくなってしまいました。
でも秋はちゃんと休憩を入れる時に、わたしと交流を取る事を忘れないでいてくれましたし、食事はいつも楓ちゃん達とも一緒に四人で取っていたので、その場ではくつろいで会話もしていました。
だからか、時々求めるのも遠慮がありましたが、それなりにわたし達は愛を交わすのも断続的にではあるものの、時間を決めて多少今までよりは控え目に、そんなにそうは出来なかったのですけど、そう言う風な意見交換で決まった事を守ろうと、二人で考えたのです。
そうは言ってもその合間に、わたしはますます貪るように読書をして、それもあってこの時からは書いていた小説を書き上げてから先、中々小説を書く時間もなかったのですが、インプットをどんどんする事を忘れませんでした。
趣味も中断したら辛すぎるので、多少抑えていく努力をしながら、漫画や音楽も精力的に吸収していたんじゃないかと記憶が蘇りますね。
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